コミコン2015レポート!『スター・ウォーズ』『バットマン vs スーパーマン』!全米オタクの祭典が開催!
今週のクローズアップ
■『スター・ウォーズ』『バットマン vs スーパーマン』!全米オタクの祭典が今年も開催!コミコン2015レポート!
コミック、映画、ゲーム、etc……世界中からあらゆるオタクたちが集結する全米最大級のポップカルチャーの祭典コミコン・インターナショナル:サンディエゴ(以下、コミコン)が今年もアメリカ・サンディエゴ(現地時間7月9日~7月12日)で開催! 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』など注目映画のパネルディスカッションを中心に、今年も大盛り上がりとなったプレミアムイベントの模様をレポート!(編集部・入倉功一)
■コミコンとは?
1970年にコミックや映画、SFファンのグループによってスタート。当初はサンディエゴ・ゴールデン・ステイト・コミックーミニコンの名称で、1日限定・参加者100名程度の催しだった。4度目の開催から名称がサンディエゴ・コミコン(SDCC)となり、1995年からコミコン・インターナショナル:サンディエゴの名称を使用している。現在ではコンベンションセンターを会場に、1日に最大で13万人の参加者を誇る総合エンターテインメントイベントに成長。コミコン限定の予告編や映像が初お披露目されるのが恒例となり、主要キャストも勢ぞろいすることから、会場のはるか遠くまで続く列が前日から形成され、コミコン名物に。会場周辺のホテルや屋外スペースなどでさまざまなエンタメ関連のイベントやジャンケットなどが行われている。
■大盛況の前夜祭!
開催の前日には、全日程に参加できる4-DAYパスを持つ参加者のみに会場が開放される前夜祭イベント(Preview Night)が開催。会場内には映画・ゲーム・コミック・フィギュアなどジャンルを問わないエンタメ関連企業のブースが出展され、コミコン限定アイテムを求めて各店に長蛇の列が! これをもって開幕と言っても過言ではない盛り上がりとなった。
■長蛇の列!注目パネルめじろ押しのホールH!
コミコンの中でもファンが最も入りたがるのが、6,000人以上の収容人数を誇る「ホールH」で行われるパネルディスカッション。例年、大手映画会社が限定フッテージや初披露の予告編などを上映し、主要キャストが勢ぞろい。ファンからのQ & Aコーナーも設けられるなど、前日の夜から何千人もの参加者が長蛇の列を作る光景が一種の名物になっている。
今年のホールHパネルの一発目では、『ゴーストバスターズ』のビル・マーレイが主演最新作『ロック・ザ・カスバ(原題) / Rock the Kasbah』(バリー・レヴィンソン監督)のプロモーションのためサプライズ登場。今回がコミコン初参加となり、これまでのキャリアで最も気に入った役を聞かれ、「昔々、ニューヨークを救った役かな。最高にイカした車でマンハッタンを走り回ったんだよ」と返答するなど、絶好調のサービスに観客も大興奮だった。
■やっぱり『スター・ウォーズ』が目玉!
しかし、今年のパネルの一番の注目どころといえば、やはり 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だろう。パネルのスタートは現地時間10日の夕方17:30なのに、前日14:00の段階で、ホールHの列は会場から遠く離れたマリーナ沿いにまで伸びる盛況ぶり。この日に行われたほかのパネルの司会者までファンに向け「みんな『スター・ウォーズ』パネルの準備はいいかい?」と語り掛けるなど、会場のは大いに盛り上がる。
パネルにはまず、メガホンを取るJ・J・エイブラムス監督とプロデューサーのキャスリーン・ケネディ、脚本のローレンス・カスダンが出席。さらにステージには、同作に登場するクリーチャーが生出演! 5人の手によって動いているというクリーチャーを前にエイブラムス監督は、旧3部作の精神を大事に、極力CGに頼らず『スター・ウォーズ』を手掛けることの重要さを力説した。
さらに会場には、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、レイア姫役のキャリー・フィッシャー、そしてハン・ソロ役のハリソン・フォードが重傷を負った小型飛行機の不時着事故後、初めて公の場に登場。ルーク、レイア、ソロの三人が、ようやく『スター・ウォーズ』の公式イベントにそろった瞬間に、会場からは鳴りやまないスタンディングオベーションが送られた。
![01](10.jpg エイブラムス監督もノリノリのコンサート!")その後は、デイジー・リドリー、オスカー・アイザック、ジョン・ボイエガ、アダム・ドライバー、ドーナル・グリーソン、グウェンドリン・クリスティーらが合流し、メイキング映像を上映。大盛況の中、さらにエイブラムス監督は「みんな、『スター・ウォーズ』コンサートは好きかい?」とファンに質問。「実はみんなをコンサートに招待しようと思うんだ。そこで申し訳ないけど、これから会場まで移動してもらう」とアナウンス。あっけにとられる観客にチケットが配られ、6,500人がストーム・トルーパーに先導され屋外のコンサート会場に大移動。
参加者一人一人にケミカルライト代わりのライトセーバーが配られ、ステージにはキャスト陣も再集結。サンディエゴの夜空に『スター・ウォーズ』コールが響く中、オーケストラによる盛大な演奏に全員が酔いしれた。
■『バットマン vs スーパーマン』に熱狂…と思いきや?
今年は、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が公開中のマーベル・スタジオのパネルはなし。その代わりにコミコンファンの注目を浴びたのが、二大ヒーローが初めてスクリーンで対決を果たす、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を抱える米ワーナー・ブラザースのパネルだ。
会場には、メガホンを取るザック・スナイダー監督をはじめ、『マン・オブ・スティール』に続いてスーパーマン役を務めるヘンリー・カヴィル、ワンダーウーマン役のガル・ガドット、レックス・ルーサー役のジェシー・アイゼンバーグ、アルフレッド役のジェレミー・アイアンズ、ロイス・レイン役のエイミー・アダムス、そして新たなバットマン/ブルース・ウェイン役に抜てきされたベン・アフレックが出席。バットマン役についてベンは、「これまでバットマンを演じた俳優たちのことを考えると、この仕事は受けられない」と思っていたことを告白。しかしスナイダー監督から「この作品のバットマンは年を取り、精根尽き果て、崖っぷちの状態に置かれる。君なら完璧にマッチするよ」と言われたといい、『ダークナイト』などでバットマンを演じたクリスチャン・ベイルからは「スーツを着たまま用を足せるか確認しとけ」とアドバイスされたことを明かすと、会場は爆笑に包まれた。
しかし、実はそれ以上に観客の歓声を浴びたのが、DCコミックスの悪役たちが、減刑のため危険なミッションに挑むさまを描いた『スーサイド・スクワッド(原題) / Suicide Squad』。ジョーカーの恋人ハーレー・クインを演じるマーゴット・ロビーのほか、暗殺者デッドショット役のウィル・スミスなど悪役たちが集結。予告編では、ジャレッド・レトー演じる実写版ジョーカーが映像で初お目見えとなり、会場は熱狂に包まれた。
■『X-メン』そして一番人気は『デッドプール』!
またワーナー同様に話題を呼んだのが、米20世紀フォックスだ。『X-MEN』シリーズを抱える同社のパネルには、ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンが登場した。
スピンオフシリーズの3作目をもってウルヴァリン役を降板することが報じられているヒュー。会場では『X-メン』(2000)オーディション時の様子から現在までを振り返る映像が上映され、ヒューの「次の映画は、僕が爪を付ける最後の機会になるだろう……。最後の一回、偉大なるジェームズ・マンゴールド監督と作る映画は、このホールHに集まったみんながこれまでに観た中でも、最高の一本になるよ!」というスピーチに会場は感激に包まれた。記念すべき最後の一本は、崩壊した世界を舞台に年老いたウルヴァリンを描いたコミック「オールド・マン・ローガン」にインスパイアされた作品になるといい、ヒュー演じるウルヴァリンのラストを飾るのにふさわしい一本になりそうだ。
さらにヒューの紹介で、ジェニファー・ローレンスにジェームズ・マカヴォイほか、シリーズ最新作『X-メン:アポカリプス(原題) / X-Men: Apocalypse』の主要キャストが登壇。公開された予告編では、ついに髪の毛が全て抜け落ち、スキンヘッドになったマカヴォイの姿も明かされ、喝采を集めた。
そして、コミコン一番の人気を博したのは、マーベルコミックスの異色ヒーローが主人公の新作映画『デッドプール(原題) / Deadpool』。ウルヴァリンと同じ驚異的な回復能力(ヒーリングファクター)を持つ異色ヒーロー。で、“第四の壁”(フィクションと現実との境界)を突破して読者に語り掛けてくる破天荒なキャラで大人気のデッドプール。パネルにはデッドプール役のライアン・レイノルズはじめ主要キャストが登壇し、暴力とギャグ満載の予告編に、会場は熱狂! 『バットマン vs スーパーマン』の予告上映時、さらには『スター・ウォーズ』パネルにハリソンが登場した瞬間を超える長時間のスタンディングオベーションが送られ、会場はアンコールを求める声に包まれた。
■日本のアニメも大人気!
アニメの祭典でもあるコミコンだけに、展示会場には日本のアニメ関連のグッズなども盛りだくさん。
中でも圧倒的人気を誇っていたのは、実写版の日本公開を間近に控える「進撃の巨人」だ。広い会場内を少し見渡すだけで、調査兵団のコスプレに身を包んだ現地ファンの姿があちらこちらに確認できるほど。同作を北米で紹介するFanimationのブースには、超大型巨人と女型の巨人も登場し、黒山の人だかりとなっていた。アメリカ人のコミコンファンに話を聞くと、「ドラゴンボール」や「ポケットモンスター」のように一般的な知名度はないものの、現地アニメファンの入門編として、誰もが観る作品になっているのだとか。日本の実写版に対する期待の声も多く、樋口真嗣監督のサイン会には長蛇の列ができていた。
また、「東京喰種トーキョーグール」など、日本の深夜アニメのコスプレに身を包んだ人々も多く、いかに日本のアニメが現地のオタクたちの間で人気を集めていることを実感させられた。
■アメリカエンタメ界の中心はドラマに?
コミコン会場の周辺を見渡すと、アメリカのエンターテインメント界の中心がテレビドラマに移行していることを改めて思い知らされる。会期中、サンディエゴ市街を飾るさまざまなビルボードはドラマやテレビ番組ばかり。今年も、トム・クルーズ主演のSF映画として知られる「マイノリティ・リポート(原題) / Minority Report」や、ギレルモ・デル・トロ監督が手掛けたホラーシリーズ「ザ・ストレイン(原題) / The Strain」、日本人女優・祐真キキの出演で話題の「HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン」などが、高層ホテルの壁一面に広告を展開。
またホールHでは、恒例となった「ウォーキング・デッド」「ゲーム・オブ・スローンズ」のパネルが『スター・ウォーズ』と同日に行われ、同作にひけをとらない人気を集めており、いよいよアメリカのエンタメ界が本腰を入れてドラマの世界に移行してきていることをうかがわせた。
とはいえ、来年はついに『アベンジャーズ』関連作へのスパイダーマン参戦が報じられたマーベルが再び注目を浴びることは必至。『スター・ウォーズ』も、大量の続編やスピンオフ企画が用意されており、コミコンファンを熱くさせる映画が勢ぞろいすることになりそうだ。