『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ワールドプレミアレポート
スター・ウォーズ特集
はるか銀河の彼方、万物を司る力・フォースを操る善の守護者ジェダイと、フォースの暗黒面(ダークサイド)の力を駆使する悪の信奉者シスの争いを背景に、壮大な銀河をめぐる争いと、その中で成長を遂げる若者たちを描き、映画史だけでなくポップカルチャーに多大な影響を与えた『スター・ウォーズ』シリーズ。 その歴史の新たな局面を約30年ぶりに描く映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のワールドプレミアが、今月18日の公開を間近に控えた現地時間14日、アメリカ、ロサンゼルスのハリウッドで開催。主要シアターを独占し、メイン通りには全長450メートルの巨大テントを設置。『スター・ウォーズ』意外ではあり得ないであろう、史上稀にみる豪華プレミアの様子をレポート!(編集部・入倉功一)
超厳戒態勢のプレミア!
一部の海外メディアでは、テロの標的になるのを避けるためとも報じられていたが、その情報を裏付けるかのように、プレミア会場の場所は直前まで明かされず。しかし、プレミアの前日にアカデミー賞の授賞式会場としても知られるドルビーシアター周辺を訪れると、大通りには巨大な白いテントが。外幕には、新ヒロインのレイや悪役のカイロ・レンたちのイラストが描かれ、プレミアに向けた準備が整えられていた。
ちなみに、C-3POとR2-D2たちの手形も見ることができるチャイニーズシアター前には、すでに18日の公開を待つ人たちの列が。座席指定でチケットを購入できるようになった現在では、『スター・ウォーズ』というイベントを楽しむという目的以外に並ぶ必要はなさそうだが、数十時間毎にチャリティーへの寄付を行うと、優先的に良い席のチケットが渡されるという試みが行われているそうだ。
そして迎えたプレミア当日、テント周辺の沿道にはブロック毎にセキュリティーゲートが設置され、探知機を手にしたガードが常駐。各ブロックを抜けると、次のブロックで再びチェックを受けなくてはならない徹底ぶりで、全長450メートルのテント周辺を回ろうとするだけで1時間近く掛かってしまうほどの、超厳戒態勢がしかれていた。
それでも沿道には数多くの『スター・ウォーズ』ファンが列を形成。友人と一緒に10日から待っていたという女性ファンは、巨大なストームトルーパーのフィギュアを手に「娘のためにこのフィギュアにサインをもらいたいの!」と笑顔。娘さんは今年生まれたばかりだそうで、「きっとこの映画が、彼女がはじめて体験する映画になるわね」と満面の笑み。こういったエピソードを聞くと、改めて『スター・ウォーズ』がただの映画ではなく、アメリカ人の生活に溶け込んだ一つの文化であると思わせる。
プレミアのためだけ!豪華テントを設営!
テントの入り口に進むと、『スター・ウォーズ』の看板が設置された巨大ゲートが姿を表し、否が応にもテンションはマックスに。
ゲート前に用意された観客席には、各国から招待されたという、501部隊がズラリ。本格的な『スター・ウォーズ』コスチュームに身を包んだ彼らは、カメラを向けられる度に大歓声が上がり、さらに会場を盛り上げた。
いざテントの中に入ると広がっていたのは、はるか銀河の彼方にいると錯覚しそうな宇宙空間。天井に星空が、側面には『スター・ウォーズ』の装飾が施された通路は、大通り沿いに建つ3つのプレミア会場、ドルビーシアター、エルキャピタンシアター、チャイニーズシアターの各劇場の入り口に直結していた。
途中にはストームトルーパーたちの等身大フィギュアや劇中で使用された衣装、カイロ・レン仕様のスポーツカー、レゴ製のBB-8、レイ、カイロ・レン、ライトセーバーで作られた光のオブジェなどが並ぶ、この日のためだけとはとても信じられない豪華スペースが用意されていた。
『スター・ウォーズ』ファミリー集結!
開催前に、C-3POとR2-D2、BB-8があいさつに訪れたレッドカーペットイベントは、ファースト・オーダー ストームトルーパーの行進からスタート。
カーペットの先陣を切った、海外ドラマ「HEROES/ヒーローズ」で知られるグレッグ・グランバーグは、X-ウィングのパイロット役で出演。J・J・エイブラムス監督とは、子供のころに近所の砂場で遊んでいたというほど長い付き合いの親友同士。何と、『スター・ウォーズ』も一緒に観に行ったそうで、「こうして最新作に出してもらえたことが、本当にうれしいんだ!」と感慨深げに語った。
また、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』の脚本を手掛け、本作でシリーズに復帰したローレンス・カスダンも出席。新作の出来映えには「シリアスになりすぎず、誰もが楽しめる作品になっているよ!」と満足げ。エイブラムス監督の仕事ぶりについても「彼は現場でさけんだり、大声を出したりは絶対にしないんだ。まずは何よりも、自分たちが楽しむことが重要だと思っている。仕事をしていて本当に楽しいんだ」と絶賛していた。
2013年に女優として活動をスタートさせ、いきなり『スター・ウォーズ』のヒロインに抜てきされたデイジー・リドリー。4月の来日時はまだ、あどけなさの残る女の子といった印象だったが、健康的な背中を大胆に披露したドレスに身を包んだ姿からは、すでにスターの貫禄が。「この作品のためにずっと頑張ってきたから、観客のみなさんと共有できるのが何よりうれしいの!」と思いを語ると、無邪気な笑顔を見せる。
そして、次々に登場する豪華キャスト陣の中でも、一際注目を浴びたのがハン・ソロ役のハリソン・フォード。世界各国から集まった650人に及ぶ報道陣の取材に、丁寧に応じたハリソンは、最新作について「みんな、きっとエンジョイしてくれるに違いない。何故なら、僕も心から映画を楽しんだからね!」と太鼓判。
この日は、旧3部作でソロの親友ランド・カルリシアンを演じたビリー・ディー・ウィリアムズと再会を果たす感激の場面も。熱いハグを交わす二人の姿に、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でミレニアム・ファルコンを背景に再会するソロとランドのシーンが重なった。
一方、ライトセーバー型の杖をついて現れたソロの相棒チューバッカ役のピーター・メイヒューは、足の調子が悪いということでイスに座りながらメディアの質問に応じた。久々のチューイの衣装は「クサかったかな」とジョークを交えつつ、「でも衣装を着てチャックを閉めたら、後はやるだけさ」と満面の笑みを浮かべた。
ジョン・ボイエガはマーク・ハミルらキャスト陣とツーショットを撮りまくり、デイジーはシリーズの生みの親ジョージ・ルカースと談笑を交わし、ピクサーのジョン・ラセターまで駆け付けるなど、プレミアならではの貴重な組み合わせが実現。また、残念ながら姿を見ることはできなかったが、アダム・ドライバー(カイロ・レン)、オスカー・アイザック(ポー・ダメロン)、ルピタ・ニョンゴ(マズ・カナタ)、アンディ・サーキス(スノーク)、ドーナル・グリーソン(ハックス将軍)グウェンドリン・クリスティー(キャプテン・ファズマ)、アンソニー・ダニエルズ(C-3PO)、ケニー・ベイカー(R2-D2)、マックス・フォン・シドー、そしてJ・J・エイブラムス監督、キャスリーン・ケネディ、ジョン・ウィリアムズも出席。熱狂のレッドカーペットイベントが終了すると、6,000人という、こちらもとてつもない数の招待客がシアターに吸い込まれ、プレミア上映がスタート。 警備上の問題で観客の感想は聞くことができなかったが、上映中は常に拍手喝采が起き、上映後の会場周辺では、「ファンタスティック!」「エクセレント!」と叫ぶ声がチラホラ。果たしてエイブラムス監督は、ファンの期待に応える作品を作りあげることができたのか。その答えは間もなく全世界で一斉に明かされることになる。