アニメ次世代を担う!新海誠監督『君の名は。』をこの夏のマストアニメに!
今週のクローズアップ
次世代の日本アニメーション映画界を担う存在として高い評価を受ける新海誠監督の最新作『君の名は。』が、ついに8月26日に公開されます。「夏アニメを追うので手いっぱい」なんてアニメファンのみなさんの声が聞こえてきそうなこの時期、バカンスも満喫せずに季節が過ぎてしまいそう? そんな方も本作で、一気にラブと青春まるかじりしちゃってください!(編集部・小山美咲)
これからアニメは新海監督!
新海監督の持ち味は、ち密な風景描写や繊細な言葉。すでに一つの世界観を構築していると言えますが、新海監督って? という方に向けて、少しご紹介。1973年生まれの監督は、2002年にSF短編アニメ『ほしのこえ』で「第1回新世紀東京国際アニメフェア21」公募部門優秀賞ほか、多数の賞を受賞すると、その後も『雲のむこう、約束の場所』(2004)、『秒速5センチメートル』(2007)、『星を追う子ども』(2011)などを発表し、国内外で高い評価を獲得。2013年に公開された『言の葉の庭』は自身最大のヒット作となるなど、アニメ好きから一般層まで観客をググッと魅了し、いまやスタジオジブリの宮崎駿監督や、『バケモノの子』などの細田守監督に続く、次世代を担う監督としてアツい注目を浴びています。
タイトルからすでに楽しい『君の名は。』
そんな新海監督の最新作が『君の名は。』。まずいい、タイトルがいい。「君の名は……」と余韻が残る感じがいい。と思いきや、「。」が付いちゃっている感じもいい。切るんかい! 完結しとるんかい! え? それとも……とタイトル一つでひとしきり楽しめますが、それはさておき、本作は田舎町に住む女子高生の三葉と都会暮らしの男子高生・瀧が相手と入れ替わる不思議な夢を見るところから始まる物語。恋と青春とミラクルが一体化し、とんでもない瞬間風速で観客の心に飛び込んでくる、最高のエンターテインメントです。
圧巻の美麗ビジュアル!
新海監督というと、美しいビジュアル。壮大なSF世界はもちろんのこと、草木や花びらや雨などの風景をきめ細かく描き出す点が魅力です。本作では、キャラクターデザインを『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズの田中将賀が、作画監督を『千と千尋の神隠し』など多くのジブリ作品に携わってきた安藤雅司が務めました。美しい色彩で、ささやかな日常のシーンもキラキラと輝いているかのよう。そしてスクリーンから果汁が飛んできそうなほどフレッシュ! 社会という名の荒波にもまれてすさんだ心が洗われる……。
実写でもおかしくない声のキャスト
これまでの新海監督作品でも多数の人気声優が起用されてきましたが、本作は神木隆之介(立花瀧)、上白石萌音(宮水三葉)、長澤まさみ(瀧のバイト先の先輩・奥寺ミキ)、市原悦子(三葉の祖母・宮水一葉)らが声を担当。このメンツ集めたら実写映画撮ろうぜ! と言いたくなるほどのキャストがそろいました。メインの2人がとにかくすばらしい! みずみずしくてちょっと切ない“青春”を音にしたらこうなりました! とまさにそういった感じ。要所要所に悠木碧(三葉の友人・名取早耶香)、島崎信長(瀧の友人・藤井司)、石川界人(瀧の友人・高木真太)ら若手実力派声優を置いてくるところもベリーナイス。
こんなマッチするなんて嘘だ!!RADWIMPSの音楽がスゴい
とどめを刺してくるのが音楽! 本作の音楽制作を務めたのは人気ロックバンドRADWIMPS。「前前前世」ほか主題歌となる四つのボーカル曲と22曲の劇伴を手掛けました。ここぞ! というタイミングで、これぞ! という楽曲が流れ、思わず「嘘だ!!」と嘆きたくなる完成度にはお手上げ。『君の名は。』とRADWIMPS、完全に赤い糸で結ばれている……。ボーカルを務める野田洋次郎の声とロマンチックな歌詞が作品の世界とぴったりマッチし、RADWIMPS世代のみならず、誰もが「これ誰が歌ってるの?」と魅了されること間違いなしなのです。
この夏ラストの思い出に
ビジュアル、声優、音楽、そしてもちろんストーリーに言葉の一つ一つ、すべてが絶妙に重なり合い、冒頭からラストまで、観客の心を離さない吸引力は、まさに“エンターテインメント”と言えるこの作品。アニメ好きも、声のキャストのファンも、なんとなく映画館に入った方も、観た後だれかに話したくなる、そんな夏の思い出になるはずです。秋が来る前にぜひ!