この二人、仲良しすぎ!『ホビット』イケメン兄弟フィーリ&キーリが語る旅の思い出【ロングインタビュー】
27日、28日開催の「ハリウッド・コレクターズ・コンベンション No.10」に出席するため初来日を果たしたディーン・オゴーマンとエイダン・ターナー。映画『ホビット』3部作でドワーフのイケメン&仲良し兄弟フィーリ&キーリを演じた二人は、取材前には二人きりでホテルの周りをぶらつき、取材中も「オーゴッド!」と言うタイミングも前髪をかき上げるタイミングも完全にシンクロ! リアル仲良しなディーン&エイダンのインタビューをお届けします。
Q:『ホビット』はどのように二人を結び付けたのでしょう?
ディーン・オゴーマン(以下、ディーン):『ホビット』は僕らを結び付けた、なぜなら……何て答える? だってキーリには兄弟、つまりフィーリが必要だったからね!
エイダン・ターナー(以下、エイダン):フフフ(笑)。
ディーン:で、オーディションを受けて僕がキャスティングされたわけさ。
エイダン:それでキーリは兄弟を手に入れた。僕たちは濃い時間を過ごして、今でも親友だし、兄弟を手に入れたようなもの。マーティン(・フリーマン)、リチャード(・アーミティッジ)、イアン・マッケランといったいろいろな俳優たちとその日によって共演するわけだけど、僕たち二人はほとんどずっと一緒だった。ディーンが何をしていようが、僕が何をしていようが。たくさんの時間を一緒に過ごしたから……わからないけど二人の俳優がキャスティングされたら時にそういうことが起こるんだ。すごくうまくいって、一緒に居るのを楽しんだよ。アート、音楽、お酒(笑)、そういったものが僕たちを結び付けたんだ。
Q:ドワーフの中でも、トーリン、フィーリ、キーリには強い絆がありました。どのようにしてその絆を作り上げたのですか?
エイダン:それはリチャードに聞かなきゃいけないな(笑)。
ディーン:そうなったのは本当にラッキーだった。僕たちをキャスティングした人のおかげだよ。僕たちは一緒にやっていっただけだから。リチャードはとてもラブリーな人で、エイダンと僕もとてもうまくいったし、僕たちは3年一緒に過ごした。その3年で関係が発展していったんだよ。スクリーンでの関係には、実際の人間関係が反映されている。だからとてもうまくいったんだ。
エイダン:それでみんな殺されちゃったね。
ディーン:殺されちゃったね。
Q:撮影最終日のことを覚えていますか?
エイダン:最後の日だったかはわからないけど、フィーリが死んだ日のことはよく覚えている。(※ディーン「ぐえええ」と死んだふり)ディーンのダミーが足元に落ちてきたんだ。で、ディーンはそこに居た。あれはとても悲しかったね。
ディーン:悲しかったね。
エイダン:3年の撮影の終わりでもう戻ってくることはないと知っていたから。
ディーン:そうだね。
エイダン:最後の何日かは一緒に心穏やかに過ごした。とても疲れてもいたんだ。だから一緒に死ねて幸せだったのかも。僕たちにこれ以上出せるものはなかったから。
ディーン:僕たちは撮影最終日に死んだんだ。比喩じゃなくて、文字通りの“終わり”だった(笑)。ほとんど3年やってきたんだ。本当に疲れ切っていた。毎日早朝から長時間撮影をして……
エイダン:だからお互い死んでいるのを見て幸せだったよ。ほかのみんなは泣いていたけど、僕たちはとても幸せだった(笑)。
ディーン:だけどとても悲しかった。この経験の“終わり”だったわけだからね。
Q:長い撮影を振り返ってみて、一番印象に残っていることは何ですか?
エイダン:オゥ、それは何でもあり得るよね。つまんないことかも。僕が覚えていて一番好きなのは、どんなときもトレーラーに来て、入って、朝食を取って、トレーラーに戻って、20分で衣装を着て、ディーンのドアをノックしに行って、彼がビデオゲームをしているのを見て(※ディーン声を殺して笑う)、それが終わったら一緒にボンブール役のスティーヴン・ハンターのドアをノックして、サッカーを観て、しばらくそんなことをやって、セットに行って、ちょっとの間座って……フフフフ(笑)。
ディーン:気にする人も多いんだけど、僕らにとってはテイクの間の待ち時間、トレーラーで遊ぶのは楽しかったよ。あとはランチとか? 撮影したシーンについて話したり、(グローイン役の)ピーター・ハンブルトンがひげについた食べ物を取ろうとしているのを見たり(笑)。
エイダン:その通りだね。あと(ドワーフ用の)太ったスーツに着替えるときたくさんの人が周りに居るんだけど、グロテスクで本当に奇妙なそのコスチュームでドワーフに変身しているとき、おしゃべりするんだ。「昨夜何したの?」「奥さんは元気?」とか。
ディーン:アハハハ!
エイダン:ドワーフになりながらそんなことをやっていた。それが一番僕が懐かしいなと思うことだよ。振り返ると非現実的だけど、当時は…
ディーン:当時はそれが本当に普通のことだったんだ。
エイダン:毎日のことだったね。
Q:ピーター・ジャクソン監督との仕事はどうでしたか?
ディーン:彼は映画が大好きで、撮影が大好きだね。撮って、撮って、撮りまくっていた。できるだけいろんな角度から撮って、いろんな素材を集めている。すっごくエキサイトしている少年と一緒に居るような感じだった。
エイダン:俳優にとってはとてもやりやすい環境だよ。ピーターみたいな監督がすべてを取り仕切っているというのはね。この世界を本当によく理解していて、フレンドリーで、頭がよくて、優しい監督だ。
ディーン:ピーターほど(原作者のJ・R・R・)トールキンのことを愛している人はいないよ。
エイダン:絶対に誰もいない!(笑)
ディーン:誰もいない!(笑) 映画が2部作から3部作になったときいろんな意見があったけど、
エイダン:どっちにしろ彼は聞かなかったよ(笑)。
ディーン:彼は気にしなかった! ピーターこそ一番のファンなんだ。みんなは気付いていないけど、彼は何よりもトールキンファンの望むものを作りたかった。なぜなら彼こそ一番のファンだから。
エイダン:その通りだ。
ディーン:もしピーターが『ロード・オブ・ザ・リング』を作っていなかったら、サインをもらいにコンベンションに行ったはずだよ。彼はそんな熱狂を現場に持ち込んでくれたよ。
Q:今だから言える話を教えてください。
エイダン:そんなゴシップはあったかな? 考えてみなくちゃ……バーベキューのときのことは言えないかな?(笑)
ディーン:それはダメだ(笑)。実際僕たちはみんなとても親しくなったんだ。毎日一緒に撮影していたからね。だから互いの家でたくさんバーベキューとかパーティーとかしたんだけど……
エイダン:僕が一番笑ったのは、ボンブール役のスティーヴン・ハンターが半分コスチュームを着たまま……アハハハ!
ディーン:彼は巨大な女性みたいだった!
エイダン:アハハ!
ディーン:だって彼は巨大な太ったスーツを着ていて、胸もおなかも大きくて……
エイダン:赤い顔で、あごのところにiPhoneを挟んでいた。すごくグロテスクな光景だった。彼は誰よりも優しくて繊細で愛すべき人だったから、そのコンビネーションでいつも笑わされたよ。
ディーン:あとオイン役のジョン・カレン。彼は2年半の間、ずっと現代的で抽象的で…
エイダン:大きな音の!
ディーン:大きな音のジャズを流していた。すごくうるさかった。
エイダン:トレーラーから流していたんだよね?(笑)
ディーン:彼は自分のトレーラーで流していたんだけど、音が外に向けて流れているって最後まで気づかなかったんだ。だから彼にはその音楽が聴こえないんだけど、僕たちには聴こえる。2年半彼が流す音楽を聴き続けたよ。
エイダン:最後の日までそのことを誰も教えなかったんだよね(笑)。些細なことに聞こえるかもしれないけど、僕たちにとっては大問題だった。だってそのクソみたいなジャズを聴きながら毎日過ごさなくちゃいけなかったから。
ディーン:ハハハ! で、彼は自分は聴こえないからさらに音量を上げるんだよね。
エイダン:ハハハ!
ディーン:あー、ジョンは本当に音楽の趣味が悪いよ。(※エイダン爆笑)
Q:シリーズ通してお気に入りのシーンは?
エイダン:覚えているのは撮影の過酷さだから……でも、ビヨルンの家でボンブールが熊に追われて走るシーンが好きだ。彼は誰よりも速く走らなくちゃいけなかった。
ディーン:そうだ(笑)。
エイダン:スティーヴンはとても足が速いんだけど、何度も繰り返さなくちゃいけなかった。巨体の彼が全力で走るのを見て笑いをこらえるのが大変だったよ。
ディーン:実際、毎日大笑いしていたよ。大抵はスティーヴン・ハンター関連のことで。
エイダン:僕たちが最後に向かって……僕たちはどこへ向かったんだっけ?
ディーン:エレボール?
エイダン:そうだ(笑)。ピーターはエレボールがどんなかを説明してくれたんだけど、実際セットに足を踏み入れたらその大きさに圧倒された。金のコインもちゃんとあって、踏むと沈むんだ。コインには全て模様が入っていたし、あれは素晴らしかった。本当にリアルなんだ。
ディーン:CGIもたくさん使ったけど、セットもたくさんあってものすごい大きさなんだ。巨大なセットだよ! それをCGIで大きくしたわけだけど、セットの時点ですごく大きい。
エイダン:あと僕らはいろんなロケーションにヘリで落とされて、走ったり、歩いたりした。まさに本当の旅だったよね。
Q:キーリは、ドワーフで唯一恋愛要素のある役でした。きまりが悪かったですか? それともいい気分…
エイダン:何が言いたいんだ!?(笑) なぜなら彼が小さいから?
ディーン:背が低いから?(笑)
エイダン:で、相手が背の高いエルフだから?(笑)
ディーン:ホットだよ(笑)
エイダン:キーリはそんなエゴは持っていないよ。あと、脚をひきずっているのはうそなんだ。
ディーン:「僕は弱っている、助けてくれ~」(※弱ったキーリの声まね)
エイダン:「キスしてくれ、唇にキスしてくれ~」って。いや、楽しんだよ。エヴァンジェリン(タウリエル役のエヴァンジェリン・リリー)との仕事は楽しかったし、セットでたくさんのものをもたらしてくれた。より複雑な感情になったんじゃないかな。
Q:ディーンさんはそんな役は羨ましかったですか?
ディーン:うーん、いいや。
エイダン:でもフィーリは羨ましかった?
ディーン:うーん、いいや。(※エイダン爆笑) 彼は大人だからね(笑)。
エイダン:彼は家に帰りたかった(笑)。
ディーン:家に帰りたかった(笑)。彼はそんなことより疲れていて眠たかったんだ。
(取材・文:編集部・市川遥)