映画で迷ったときはコレ!Netflix10本勝負
移動中や暇を持て余しているときなど、ふと観たくなるNetflix。すんばらしい映画の宝庫でもあります。でも数多くある作品群の中から、「どれを観ようか?」とあれやこれや迷っているうちに気づけば貴重なあなたの時間を大幅にロスしてしまっていることはありませんか? 今回はNetflixで何を観ればいいか悩んだときにオススメの映画10選を、雑食野郎の映画ライター森田が邦画・洋画問わずスーパーランダムにご紹介します!(文:森田真帆)
『評決のとき』
名作なのにいつの間にかレンタル店からも姿を消していた、マシュー・マコノヒー出世作!
映画『ダラス・バイヤーズクラブ』で第86回アカデミー賞主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーが27歳のときに主演した出世作! 1996年に公開された本作は、『ペリカン文書』や『依頼人』などのベストセラー作家ジョン・グリシャムの同名小説を、ジョエル・シューマカー監督、マシュー主演で映画化したものです。グリシャムはハーバード大学のロースクールを卒業しているので、描く内容もかなりリアル。しかもこの映画は人種差別がいまだ色濃く残るアメリカ南部の街で起きた凄惨な黒人の少女暴行事件がテーマ。自分の娘をレイプ(内容は極悪そのもの!)され、その犯人を撃ち殺してしまった黒人の父親をめぐる法廷劇です。本作でマシューは、父親の弁護を担当し、KKKから悪質な嫌がらせをされる若き白人弁護士ジェイクを熱演。実はマシュー、最初はキーファー・サザーランドが務めた犯人の弟フレディ役でオーディションを受けたのですが、そのとき監督に直談判してこの主人公役を勝ち取ったのだそう! 最後の最終弁論シーンは圧巻な上に、父親役をサミュエル・L・ジャクソン、ジェイクのアシスタントにサンドラ・ブロック、検事にケヴィン・スペイシーなどなど俳優陣も超豪華! 名作なのに廃盤となってしまい、レンタル店でもなかなか見つけることのできなかった代物だけにとても貴重です!
『スティーヴ・アオキ: I'll sleep when I'm dead』
EDMに興味がある方もない方も!エネルギッシュな生き方に刺激!
今若者を中心に大人気のEDM(エレクトロダンスミュージック)で世界的な大成功を収めたDJのスティーヴ・アオキ! EDMに興味がない方にちょっと説明すると、このスティーヴ・アオキさんは長髪にヒゲで見かけはとっても怪しいのですが、大観衆にめがけてケーキを投げつけまくるというパフォーマンスが大ウケしている超有名DJです。実はこの人、映画『シン・シティ』などに出演しているデヴォン青木の異母兄。お父上はアメリカで人気のレストランチェーン「Benihana」の創業者である故ロッキー青木さんです。ドキュメンタリーでは、「父を超えなければ」というコンプレックスに悩まされ続けたスティーヴが、父の財力を一切借りずに、自分が信じた音楽の道で成功するまでの軌跡、そして現在の活動を追っています。最近は有名人の2世がなにかと話題を呼んでいますが、スティーヴも2世として苦しみながら成功した一人。「Benihana」で働いていた時期もあったようですが、そのときの写真のスティーヴ、目が死んでてかわいそうなくらいです。そんな彼だからこそ、睡眠時間まったくなしでパーティーからパーティーへ世界中を駆けめぐり、観衆を盛り上げまくる毎日をエネルギッシュに生きている姿がカッコイイ! EDMに全く興味がなかったわたしですが、このドキュメンタリーを観てからはYouTubeでスティーヴのパフォーマンスを堪能しまくっています!
『クルーレス』
なーんにも考えずに観られる女子高校生のオシャレでおバカなラブコメディー!
なーんにも考えずに観られる楽しく明るいザッツ・アメリカな青春コメディー。1995年に公開されると、若者からカルト的な人気を博しました。美しくて聡明で裕福、なんでも思い通りになる生活を送り、人の恋愛の橋渡しをしては満足顔のエマが一人の紳士との出会いによって変わっていく姿を描いたジェーン・オースティン原作の小説「エマ」を、青春コメディーの金字塔『初体験/リッジモント・ハイ』のエイミー・ヘッカリングが現代版ビバリーヒルズバージョンにリメイク! 弁護士の父親から思いっきり甘やかされて育ったお嬢様のシェリーを、当時大人気だったアリシア・シルヴァーストーンがキュートに演じています。この映画のタイトル「クルーレス」とは、「ダサイ」という意味。当時日本で流行っていた「MK5」「チョベリバ」などと同じような、アメリカンスラングが数多く散りばめられているので、英語の勉強がてら観るのもおすすめです。アメリカで使ったら「古っ!」って突っ込まれて大人気になれますよ。ちなみにアリシア演じるシェリーの話し方、表情、ファッションは「モテる女子」のお手本として最高! それにしてもアメリカのハイスクールって楽しそう! 世話焼きのシェリーに「イケてる」女の子に変身させられるダサイ転校生にふんする故ブリタニー・マーフィーさんにも注目です。
『恋の渦』
世の中所詮はクズだらけ。恋愛に疲れ切ったときに観ると最高!
限られた時間と予算の中で俳優たちとともに映画を作るワークショップ「シネマ☆インパクト」から生まれた本作は、なんと総制作費は10万円ちょっと、そして撮影期間はわずか4日間という恐ろしい制限の中で作られた奇跡のような作品! 同棲中のコウジとトモコの部屋では、9人の男女が飲み会中。イケてないオサムに彼女を作らせる目的で開かれるも、女子軍が連れてきた「超かわいい!」はずのユウコは超強烈! ドン引きの男性陣とフォローしまくりの女性陣の微妙な空気の中、宴会はお開きに。映画はその後の9人を追っていきます。オリジナルは演劇ユニット・ポツドールの三浦大輔による同名戯曲。クズでドキュンな若者たちの恋愛模様を、『モテキ』の大根仁監督がリアルに、下品に描きます。9人の登場人物に、有名なキャストは一人もいないのですが、超がつくほど面白い! 出演者のほとんどが演技経験ゼロだったなんて微塵も感じさせないクオリティーの高さに唖然ボーゼンです! 映画を観た後は、「あいつが一番クズじゃない?」「あのシーンはマジでウケた」などなど語ることが出てくる出てくる。公開時もかなりの話題を呼び、超ロングランヒットとなりました。意外なところで誕生したカップルだったり、恥ずかしくなるようなダッサいラブラブな会話だったり、彼らの恋愛模様の展開は男女における「あるある」だらけ。男と女のうそと本音、恋愛あるあるがてんこ盛りのこの作品は恋で行き詰まったときにオススメです! 登場人物たちのゲスっぷりに「まだまだ大丈夫か」と安心できることでしょう。
『トゥルー・ロマンス』
ユーモアとバイオレンスが入り混じる恋のジェットコースターに、スカーーーッとします!
昼はコミックショップでアルバイト、彼女ナシ、金ナシ、スーパーおたくな男の前に、スウィートでグラマーなミューズが現れる。映画バカのクラレンスと、彼を一途に愛する元娼婦のアラバマの恋の行く末は? まだ売れていなかったクエンティン・タランティーノが脚本を執筆し、映画『トップガン』や『ビバリーヒルズ・コップ』の故トニー・スコット氏が監督。いまなお、多くの映画ファンに愛されている超過激なアクション作です。ユーモアと映画愛にあふれたセリフの数々は、タランティーノの魅力が満載! キャストは、クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ゲイリー・オールドマン、サミュエル・L・ジャクソンなど超豪華! さらにブラッド・ピットも信じられないほどおマヌケな役で登場します。ロマンチックな告白シーンや、ホッパーVS.ウォーケンのタイマン演技戦。めちゃくちゃ出てくる「FUCK」の応酬などなど映画史に残る名シーンがたくさん! 中でも、ドラマ「ザ・ソプラノズ」シリーズの主演を務めた故ジェームズ・ガンドルフィーニさん演じるマフィアの殺し屋とヒロインとの血みどろ死闘シーンは女子必見! かよわいヒロインでは終わらない女の強さは、この後『キル・ビル』や『デス・プルーフ in グラインドハウス』などタランティーノ作品でよく見られるタフなヒロインの原型です。ジェットコースターのようなストーリー展開と、映画全体に流れる熱量のすごさに、一度観たら忘れられない映画となることでしょう。
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