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西島秀俊が阿岐本組の組員とわちゃわちゃ!『任侠学園』単独インタビュー

任侠学園西島秀俊伊藤淳史池田鉄洋佐野和真前田航基 単独インタビュー

 倒産寸前の私立高校に弱小ヤクザの阿岐本組が殴り込み! ならぬ再建という使命を負って潜入、義理人情で難題を解決していく世直しエンターテインメント『任侠学園』。「強面すぎて笑顔もコワイ」という兄貴分を演じる西島秀俊をはじめ、 伊藤淳史、池田鉄洋、佐野和真、前田航基ら阿岐本組の組員5人衆が勢ぞろいして、劇中さながらの息の合った掛け合いをみせた。

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反省会でファミリーのような結束が実現

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阿岐本組のベテランお三方! 左から池田鉄洋、西島秀俊、伊藤淳史。

Q:義理人情にアツい阿岐本組ですが、撮影中に人情を感じたエピソードを教えて下さい。

西島秀俊(以下、西島):撮影が終わるとみんなで真剣にその日の反省……という名の飲み会がありまして(笑)。組長役の西田(敏行)さんも何度か参加してくださいました。

池田:だって本当にフツーの居酒屋ですから! そこに西田さんが来ていただけるだけでありがたい。

西島:生瀬(勝久)さんも、お酒を飲まれないのに来てくださって。

池田:葵わかなちゃんや桜井日奈子ちゃんもよく来てくれて。こんなおっさんと飲みたくないよ……普通。

西島:本当に(笑)。大先輩たちから、いろいろな話をお聞きしました。

伊藤淳史(以下、伊藤):反省会をやるには材料がないといけないわけですよね。本番中、僕がセリフを噛んじゃったりすると、「今夜、反省だ!」って西島さんが……

西島:言ったっけ(笑)?

伊藤:あの会があったからこそこんなに素晴らしい作品になった、と本気で思っています。なかなかないですよね、あそこまで反省会をする撮影現場って。

池田:楽しかったな~。僕は西島さんと初めてご一緒したんですけど、「俺は今回、毎日飲む」と言っていて。クールな人だろうと思っていたんですけど、このメンバーと今回は熱くやっていきたい! という気持ちが感じられて、西島秀俊っていいな……と。なんか上から目線ですいません。

西島:言ったっけ? おかしいな。おかしかったんだな、きっと(笑)

池田:撮影中は高校側のメンバーも引きこんでファミリーみたいになっていて、そういう雰囲気が画面に出ていると思います。今回は本当に、役者っていいなって。まさに人情を感じる撮影現場でした。

佐野和真(以下、佐野):反省会に行くと、「反省会の反省会をやるぞ!」と誘ってくださったのがうれしくて。僕は反省会、ほぼほぼ全部出席しました。

池田:皆勤賞。

佐野:アドバイスをいただいたりして、とてもためになる時間でした。もう、ついていくぞ! と。そこは西島さんの人情ですよね。

西島:いや、俺じゃないから!

前田航基(以下、前田):僕も反省会の話で(笑)。当時は未成年でなかなかお酒の席に誘っていただくことはなかったのですが、今回誘っていただいたおかげでアニキと子分という距離感がつくれました。それでいて夜10時くらいになると、「今日はもう帰りなさい」と先輩方からおっしゃってくださった。もう先輩の鏡やな! と。僕にもいつか後輩が出来たら、そんなふうに自分から距離をつめつつ、ちゃんと帰るタイミングにも気を配ろうと思いました。

池田:何度か泣いていたよね、反省会で。

前田:僕ずっと、西田敏行さんになりたい! と憧れていて。その西田さんからいただいた言葉がうれしすぎて。

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続出するアドリブに撮影は混乱!?

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阿岐本組の若手コンビ、左から前田航基、佐野和真。

Q:アドリブが多かったそうですが、驚いたことは?

池田:えっと……飲み過ぎて顔がつながらなかった伊藤淳史君とか。

西島:それアドリブじゃないよ!

伊藤:しかもちゃんとつながっていますよ! 西田さんが、部活という単語が出てこない、というくだりがアドリブでした。

西島:「グランドでよくやってる……なんだあれ?」っていう一連の。いきなりだったので、なんか始まってるぞ!? と驚きました。

伊藤:西島さん演じる日村が話を振られたけどわからず、日村が僕にふってきて。あそこは台本になかったんですけど、ちょっと膨らませ過ぎたんですよね。

西島:「すぐに『部活です!』と言ってくれりゃいい。あんなに膨らませなくていいんじゃない?」と後に西田さんがおっしゃったんです。うれしくてつい、伊藤くんにパスしちゃったから(笑)

池田:うれしいですもんね、アドリブしてくれると。あと春巻きを食べるシーンでヒデ坊が……あ、ごめんなさい。西島さんが、「豚の頭も食え!」って。自分でアドリブを言ったにもかかわらず、自分で吹いちゃった。自爆。

西島:誰も食べないからさ。

佐野:僕にふっていただいたんですよね。それで「どこからいけばいいですか?」と聞いたら池鉄さんが……。

池田:「頬!頬!」って。

佐野:それでみんな笑っちゃって、コップを口元に持ってきてごまかしていました

Q:西島さんは意外とゲラなんですか?

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ビシっとしたアニキと、笑顔全開の仲間たち。

西島:いやもうダメですね~。カレーのとこは本当にダメだった。

伊藤:台本に全然なかったんだけど、撮影前に監督が来て。「『カレーはちょっと、インドで』とだけ言ってください」と。

池田:本番直前に監督がよく指示を出して、いなくなるもんね。

西島:回りに言わないでいきなり始める。

伊藤:しかも夜遅い時間の撮影で、ヘンなテンションも相まってもうおさまりがつかなくなっちゃって。

西島:あれは朝までかかると思ったよ……。

Q:途中で日村が、寝違えたみたいに首を傾げたまま動かさなくなりましたよね?

西島:あれね~! 理由は後にセリフで説明されるんですけど、あのときも監督が「とにかくこうやって、首を傾げてくれ」と。「かなり長いシーンですよ?」と聞くと、「お願いします」って。

池田:僕らには説明がなかったから、なんのプランだろう? と思って。

西島:それと、僕が西田敏行さんのマネをしているのはアドリブじゃないです。監督の指示だから! それはハッキリと言っておきたい。

池田:ああ、そうかそうか(笑)。

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西島は気配りの出来る理想のアニキ

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みんなでキメっ!

Q:西島さんの発案から、あだ名で呼び合ったとか。撮影現場の空気をつくろうとする、アニキ的な気配りですよね。そんなふうに撮影中、西島さんにアニキらしさを感じたことはありましたか?

伊藤:アクションシーンもかなりあって、西島さん格好いいな~と思いながら見ていたのですが、戦う相手に対して、ケガをしないようにケアされていました。そういうところをちゃんと気にかけるところは、スゴイと思いました。僕は今回あまり戦ってないので、かっけ~! と思いながら見ていました。

池田:ヒデ坊とは同い年で家族構成もほぼ同じ。小さい子どもがいて大変なはずですけど、撮影現場でつらいという表情をまったく見せないんですよ。僕はすぐ、疲れたとか言っちゃうんですけど。表面的な男らしさというのはそれほど感じてませんが……。

西島:こらこら。カブト虫の幼虫、あげないぞ

池田:いや……ありがとうございます(笑)。なかなか普通はできないような気の配り方が出来る男だなと。憧れます……と言っとこ。

西島:(笑)。

佐野:僕が驚いたのは、雨がぱらぱら降ってきたときに「俺は晴れ男だから」とでっかいパラソルを持って、「この辺りを一周してくるわ。そうしたら雨が止むんだ!」と。それで戻ってきたら本当に雨が止んだんです

池田:それ男らしいのか?

西島:関係ないよ、全然(笑)。

伊藤:でも別の撮影現場でもやってらっしゃるみたいで、ちょっと業界で噂になりつつある(笑)

前田:僕の場合は撮影が終わってからなんですけど、僕の誕生日を覚えていてくださって。プレゼントを贈って下さったんです。「送ったよ!」というメッセージと一緒に。もう格好よすぎて! 誕生日のことなんて、特に言ってないんですよ。これはモテるな~って思いました。

池田:僕の誕生日もそろそろだから、何か送られてくるかなぁ?

西島:(笑)。

【取材後記】
 子分を演じた4人に囲まれ、心から楽しそうに笑う西島秀俊。ひさびさの集合だったという5人だが終始和やかな雰囲気で、撮影現場のチームワークのよさが伝わるよう。インタビューの最後、締めの言葉を言ってもらおうと説明すると、こちらの意図を瞬時に飲み込み、一瞬で俳優の顔になる5人。声質までガラリと変化するさまを目の当たりにして改めて、俳優ってスゴイな~と実感。

取材・文:浅見祥子 写真:杉映貴子

映画『任侠学園』は全国公開中

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