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ピクサー『マイ・エレメント』が最高だった!ロマンチックで感涙必至

マイ・エレメント

 ディズニー&ピクサー最新作『マイ・エレメント』が8月4日についに日本公開を迎えました。火、水、土、風のエレメント(元素)たちが暮らすエレメント・シティを舞台に火の女の子と水の青年の恋を描いた本作は、ピクサーならではの世界観と映像美に目を奪われ、ピクサーにしては珍しいロマンチックな展開に心まで奪われる一作。先んじて公開された海外では観客から圧倒的な支持を得ており、その口コミの良さが話題に話題を呼んで、世界10か国以上で週末興行収入が前週を上回るという掟破りのヒットを記録しています。『マイ・エレメント』の何がそんなに最高なのか? その魅力に迫りました。(編集部・市川遥)

ピクサー史上最もロマンチック!触れ合えない二人の恋、親子の絆に泣く

マイ・エレメント

 主人公は、しっかり者でアツくなりやすい火の女の子エンバーと、底抜けに優しくて涙もろい水の青年ウェイドという両極にあるエレメントです。性格も正反対の二人が心を通わせていく過程は楽しく笑える一方で、心が近づいても火と水だから触れ合えないという葛藤が切なすぎる! 夜のエレメント・シティで煌々と輝くエンバーと、彼女の炎を受けて色を変えたウェイドが、それでも互いに手を伸ばしてみるシーンは、息をのむほどの美しさ。ピクサー史上最もロマンチックなシーンは、大スクリーンで観るべき仕上がりです。

マイ・エレメント

 エレメント・シティにある火たちが暮らす町・ファイアタウンを出ることなく、大好きな父の店を継ぐことだけを目標に頑張ってきたエンバーですが、ウェイドと出会ったことで、一人では気付けなかった自分の可能性に気付くことになります。それでも、ゼロから店を築いた父の期待に背くようなことはできなくて……。ロマコメ映画ファンで『Shall we ダンス?』や『君の名は。』も大好きだという韓国にルーツを持つアメリカ人のピーター・ソーン監督は、自身も異人種の女性と結婚した人物。エンバーとウェイドの恋、エンバーと父の絆には彼の実体験に根差したリアルな感情が息づいているため、共感しっぱなしで涙なしでは観られません。とびきりロマンチックなだけでなく少女の成長譚としても秀逸で、一歩前に踏み出す勇気をもらえるポジティブな一作となっています。

大スクリーンでこそ映える!きらめく映像美

マイ・エレメント

 近年も『リメンバー・ミー』の死者の国、『インサイド・ヘッド』の頭の中の世界など細部まで作り込まれた世界観で観客をワクワクさせてきたピクサー。そんなピクサーが『マイ・エレメント』では、火、水、土、風のかわいらしいエレメントたちが暮らす色鮮やかなエレメント・シティを生み出しました。

 エレメントたちはそれぞれのエリアにそれぞれに適した町を作り上げており、火のエリアには暖炉、ランプ、ポットなどがモチーフの赤々とした家が並び、水のエリアには水路が張り巡らされ、ガリレオ温度計(※透明な液体の中にカラフルな浮きが入っている温度計)のような涼しげで洗練された建物がいっぱい。映画館の大スクリーンで観ないと絶対もったいないと思えるほど、圧倒的な情報量の魅力あふれる街並みなんです。作り込まれた世界が生む没入感によって、どこに目をやっても楽しく不思議なエレメント・シティを主人公たちと共に探索している気分になれるのは、またとない映画体験といえるでしょう。

マイ・エレメント

 また、火の女の子エンバーと水の青年ウェイドのアニメーション表現も絶品で、同分野では常に最先端をいくピクサーは、揺らめき、刻々と形を変える火と水をそのままキャラクターにするという離れ業を披露しています。中でも特筆すべきは、それぞれのエレメントの特性を生かして彼らの感情を雄弁に表現していること。恋に落ちる瞬間、ドキドキしてそっと鳥肌が立つように、火のエンバーに近づいた水のウェイドが沸騰するようにさざ波立つさまにキュン。次第に心を通わせていく二人が気球に乗り、ロマンチックに表情を変える、きらめく夜のエレメント・シティを飛んでいくシーンの美しさにもうっとりさせられます。

川口春奈&玉森裕太!日本版声優がハマりすぎ

 劇場で極上の映像とストーリーにどっぷり浸ろうと思えば、字幕に気を取られることなくより多くの情報を受け取ることができる吹き替え版がベストなチョイス。『マイ・エレメント』は吹き替え版もハイクオリティーなんです。日本版声優を務めたのは川口春奈Kis-My-Ft2玉森裕太で、シャキッとしていてアツくなりやすいエンバーは川口のハマり役。泣き虫でとびきり優しい玉森のウェイドには、きゅんとさせられる人が続出するはずです。率直な物言いの風のエレメント・ゲイルにはMEGUMI、物静かな土のエレメント・ファーンはサンドウィッチマン伊達みきおと芸達者な面々が集結しており、Superflyが歌う日本版エンドソング「やさしい気持ちで(マイ・エレメント ver.)」に至るまで、スキなしの布陣で『マイ・エレメント』の世界にいざなってくれます。

 そんな『マイ・エレメント』は、海外の観客のハートをわしづかみにしているのも納得の、ロマンチックで、笑って、泣けて、鑑賞後には前向きな気持ちになれる最高の映画。一刻も早く劇場の大スクリーンで堪能すべき、この夏必見の一作となっています。さらに同時上映されるのは、オスカー受賞作『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)のその後を描いた短編映画『カールじいさんのデート』。こちらも感涙必至なので、ハンカチの準備をお忘れなく!

映画『マイ・エレメント』は公開中 公式サイト 上映劇場一覧
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