「本当はジョニー・デップを主演に!」テリー・ギリアム激白
『12モンキーズ』などで知られるテリー・ギリアムが、新作『ブラザーズ・グリム』のプロモーションのため来日した。
「あまりにもたくさんの人に『グリム童話は好きですか?』って質問をされるから、最近は『僕はアンデルセンが好きなんだ』って言ってるよ」というあまのじゃくなギリアム監督。今回の、『ブラザーズ・グリム』はキャスティングにも、とても悩んだという。
「はじめは、僕の友達であるジョニー・デップにオファーしたんだ。そしたら彼は、今回のロケ地に『スリーピー・ホロウ』の撮影で行ったらしくて、『あそこはもう二度と行きたくないから……』って断られてしまったんだよ。一体なにがあったんだろうね(笑)」
盟友ジョニーに出演を断られてしまった、ギリアム監督はグリム兄弟を出来る俳優をすぐに探しはじめた。そして、まもなく主演マット・デイモンと、ヒース・レジャーという大当たりの最強コンビを発見したのだそうだ。この、2人の俳優についてギリアム監督は「マットも、ヒースもすべて私の思い通りに演じてくれた。彼らは最高の役者だよ」と絶賛。モニカ・ベルッチが演じた妖艶な魔女役には、多くのハリウッド女優からオファーが相次ぎ、なかには「名前は出せないけど、すごい大物女優もオーディションにやってきた」とか。
また“ハリウッドのケンカ屋”という異名をもつというギリアム監督は、常にスタジオ側と喧嘩しているらしい。「もう、65歳になるけど、若いころから培ったファイティングスピリットだけは忘れないよ。ハリウッドじゃ、せっかくのすばらしいオリジナルの脚本も、スタジオ側の一言でつまらない映画になってしまうことがある。だから、私はいつだって戦って、そして必ず勝ってるよ(笑)」と、奇才の意地を見せてくれた。
また、どうしてこんなにも面白い映画が作れるのか、という質問には「映画学校で勉強する若者が増えてるけど、あんなものは時間のムダだよ。たくさん映画を観て、たくさん旅をして、いろんな人と話をして、さまざまなものに触れることがいい映画を撮る材料になるはずだ」と、映画監督を夢見る若者達にエールを送った。
『ブラザーズ・グリム』公式サイトb-grimm.com