スピルバーグが最新作『トランスフォーマー』を語る
この夏の一番の話題作と言ってもいい『トランスフォーマー』。“金属生命体”をパーツの一つ一つまで、3DのCG処理で描き切ったこの前人未到の映画を製作総指揮したのは、スティーヴン・スピルバーグ。監督はマイケル・ベイで僕ではない……と言いながらもロサンゼルスで単独インタビューに応じてくれた。
この映画を作るきっかけになったのは、スピルバーグの子どもが、日本のおもちゃのトランスフォーマー(タカラトミー)で遊んでいるのを見たことからだった。「最近のCG技術だったら、これを映画化できると思ったんだ」とスピルバーグは語る。
スピルバーグの名前が映画にクレジットされるときに、よく見かけるのが「製作総指揮」。監督とはどこが違うのだろうか。「監督が決まるまでは、僕がボスだけど、監督が決まったら僕は消えていくのさ」と役割分担がはっきりと決まっていることを明かしてくれた。
スピルバーグは今年で60歳。まだまだ撮りたい映画がたくさんある、現役の巨匠監督だが、この『トランスファーマー』は、お気に入りの作品なのに、監督は、なぜ自分でなくマイケル・ベイなのだろうか。「僕には、いま抱えている映画が多すぎて……僕は彼の作品の大ファンなので、僕の代わりをするとしたら彼しかいないと思ったんだ」とマイケル・ベイを大絶賛。
スピルバーグは、6月から撮影に入る『インディ・ジョーンズ4』(仮)など、仕事が山ほど控えている。間もなく60歳になり、サラリーマンでいえば定年間近だが、スピルバーグはいまでも、毎日忙しく飛び回っているらしい。しかし、家庭ではよいお父さんらしく、5人の子どもと(子どもは全部で7人だが、同居しているのは5人)2匹の犬に囲まれ、子どもたちの宿題などもみるらしい。
「『トランスフォーマー』では悪のロボットと正義のロボットが出てくるんだけど、この2体が対決するシーンは、とにかくいままで観たことがない映像だと思うよ」とほほえむスピルバーグ。常に観客を新しい感動に包み込む、彼が放つ最新作『トランスフォーマー』は日本でも、もう間もなく公開される。
『トランスフォーマー』は8月4日日劇1ほか全国で公開