治療を受けられずに死ぬ人増加…は日本の未来! マイケル・ムーアの『シッコ』試写で政治家訴える!
8月25日に公開されるマイケル・ムーアの最新作『シッコ』。大いなる矛盾を抱えるアメリカの医療システムに、さまざまな観点からメスを入れていく衝撃のドキュメンタリーだ。本作の公開に先駆け医療従事者と国会議員を対象にした試写会が行われた。
試写会には、先日の参院選で当選した川田龍平氏(参議院議員・無所属)とすがわら一秀氏(厚生労働省政務官)らも来場し、映画を観た感想や日本の医療制度についてコメントをした。
特に医療問題には以前から真剣に取り組んでいる川田龍平氏は「アメリカの医療制度の怖さをまず感じました。この映画では無保険者の問題ではなく保険に入っているのに保険料が下りてこずに貧困になっていくことを描いています。本当に怖いことです」と映画の感想を述べ「これから日本がそういう社会になっていくのではないかと。今の医療改革がそのような方向に進んでいるのは確かで、今まで当たり前に受けられていた国民健康保険の医療制度が崩れています。患者負担が増えてきている。後期高齢者医療が4月から始まり負担が重くなるという状況があります。医療保険の問題は真剣に一人ひとりが考えていかないと守れないと思います」と遠いアメリカだけの問題ではなく、日本人にとっても身近な問題であることを訴えた。
こうコメントしたのは川田氏だけではない。全国保険医団体連合会・事務局長の室井正氏は「この映画を単にアメリカのことと考えず日本の今後の方向を示すものであり、今後の議論のきっかけにしてほしいと思います」とやはり日本の未来の姿を垣間見たかのコメントを述べた。
『シッコ』で描かれるアメリカの世にも恐ろしい保険制度とは、アメリカには、国の運営による健康保険が存在せず、国民は民間の保険会社に加入するしかないということ。恐ろしいのは治療費が払えないと、医者から治療を拒否されたり、入院中でも病院を追い出されたりすることが日常的に起きている。6人に1人が無保険で、毎年1.8万人が治療を受けられずに死んでいく。今やアメリカでは、事故、犯罪、テロ、戦争ではなく、治療費を払えないという理由で命を落とす人数のほうが圧倒的という。
『シッコ』は8月25よりシネマGAGA!、シャンテシネ、新宿ジョイシネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開
オフィシャルサイトsicko.gyao.jp