佐藤隆太、完全燃焼! サエコも号泣……映画『ガチボーイ』が涙のクランクアップ!
『木更津キャッツアイ』『池袋ウエストゲートパーク』などで、若者たちから人気を集めている佐藤隆太が、主演映画『ガチボーイ』の撮影を終えた。本作は、『タイヨウのうた』を監督した小泉徳宏がメガホンをとる青春ストーリー。高次脳機能障害という障害を抱えた主人公が、大学の学生プロレスサークルに入り、サークルで出会った仲間とともに、成長を遂げていく青春群像劇だ。
オール北海道ロケが敢行された本作の撮影は、主演の佐藤にとって決して楽なものではなかった。プロレスシーンでの吹き替えは一切なく、キャストたちは“ガチンコ”での演技を要求された。もちろん“学生プロレス”とは言え、素人が簡単にできるものではなく、撮影前の多忙なスケジュールの中で、全員がみちのくプロレス(本作のプロレスシーンを監修)のレスラーによる指導を受け、トレーニングを積んだ。
また、佐藤が演じる主人公・五十嵐は、日時も自分の居る場所も分からなくなり、迷子になることもあるという、新しいことが覚えられない“高次脳機能障害”を抱える青年。肉体的なトレーニングのみならず、難しい役柄に対する内なる格闘もあった。
1日10時間を越えることもあったクライマックスのプロレスシーンの撮影では、役柄上、プロレス技を受けつづけなければいけない過酷なシーンが続き、佐藤の体はボロボロに……。リングにたたきつけられ、素人から見ても痛そうなプロレス技を受け、「カット!」という声が掛かるとぐったりとリングに突っ伏すという、まさに満身創痍の状態だった。それでも自分が映らず、観客だけを撮影しているときでさえ、「みんなの気持ちが入りやすいように……」と、リング上で熱のこもった試合を演じる佐藤からは、映画に対する並々ならぬ情熱が伝わってきた。
本作への情熱の深さは、佐藤のみならず、ほかのキャストたちも同様だ。佐藤のライバルであるタッグチームの1人を演じた瀬川亮は、シーンの撮影中に肩を脱臼、激痛をこらえながら撮影を続けた。妊娠初期の一番つらい時期にもかかわらず、熱演を続けたサエコ。青アザを体中に作りながら、撮影に臨んだ向井理。プロレスシーンでは、休憩時間でもキャストたちの練習相手となっていたフジタ“Jr”ハヤト、そして長時間の撮影中、ずっと大声で応援しつづけた300人のエキストラたち……。全員が、映画同様、一丸となった撮影だった。
冷房の効かない体育館での撮影では、自身の疲労がピークに達していても、エキストラに「お疲れ様です」と声を掛け続けていた、佐藤を始めとするキャストやスタッフ。彼らの熱い思いが通じたのか、ラストシーンでは歓声が体育館中に響き渡り、取材中の記者たちが思わず涙するほどの仕上がりとなった。
映画で描かれる友情そのままに、映画に関わるすべての人たちが支えあいながら作り上げていった現場は、8月の末にクランクアップを迎えた。「撮影終了!」の声に、全員が流した大粒の涙の裏には、彼らの血のにじむような努力があった。佐藤が駆け抜けた夏、キャスト、スタッフが持ち得るすべての情熱を注いで作り上げたこの映画は、彼にとって最高の財産となるだろう。
佐藤、サエコ、泉谷しげる、向井のほか、舞台出身の実力派として注目されている瀬川、プロレス界のホープであるハヤト、など多彩なキャスト陣が出演する本作は、来年の3月公開予定。今から完成が楽しみな、来年注目の作品である。
『ガチボーイ』は、2008年3月公開予定。