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今世紀最大の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』の監督に新たな代表作!

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イタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督
イタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督

 『ニュー・シネマ・パラダイス』の名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が『マレーナ』以来6年ぶりとなる待望の新作『題名のない子守唄』のプロモーションで来日し、インタビューに応じてくれた。監督の来日は90年の『みんな元気』以来17年ぶりだ。

 この映画を作る最初のヒントとなったのは19年前に南イタリアで掲載されていた新聞記事だったそうだ。「ある夫婦が子どもを注文に応じて犯罪マーケットに売るという事件があったんだ。そういうことをする女性はどんな女性で、“その女性が自分の産んだ子どもを取り戻そうとしたら、一体どんな行動をとるのか”をずっと考えていてね。しかし、犯罪そのものがテーマではないんだ。これは1人の強い女性の母性愛の物語なんだよ」と熱く語ったトルナトーレ監督。

 主人公の女性イレーナの不可解な行動の謎は、最後にすべて明らかになる。しかし、この映画の素晴らしいところは物語がそれで終わりではないことだ。トルナトーレ監督が最も伝えたかったこと、それは感動の結末まで観ないとわからないようになっている。そこでやっと観客はイレーナの愛の強さ、愛の深さによって起こった“ある奇跡”を目の当たりにする。そのとき観客は涙を流さずにはいられないはずだ。

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 「もし他人へ向ける愛情が本物であれば、それが本来自分とはまったく関係のない人に向けられたものや、間違った向け方をされたものであっても、結局はポジティブな影響を生むのではないかと思うんだ」とその意味を語る監督。「イタリアでは伝統的な家族の価値観が非常に強いので、こういったテーマはちょっと観客を不安にさせるかもしれない。しかしその中であえてこういう愛情の形について語ることも、意味があるのではないかと思ったんだ」と新しい愛の形を表現したことを強調した。このコメントはぜひ、映画を観終わった後で、もう一度読んでほしい。すると、なるほどそういうことだったのか、と監督の言った意味がきっとわかるはずだ。

 そして、もう1つトルナトーレ監督の映画では、いつも子役がとても生き生きとして魅力的なことにも触れておきたい。この映画でテアを演じる愛らしい少女クララ・ドッセーナの演技は本国イタリアでも絶賛された。「60人くらいオーディションして彼女に即決したんだ。『ニュー・シネマ・パラダイス』で1800人オーディションしたのに比べれば今回はすぐ出会えて本当にラッキーだった。かわいいし、感じがいいし、すごく頭がいい子だ。映画では手を縛られて床に倒されるシーンがあるんだが、彼女はむしろ楽しんでやっていたよ」と撮影時のエピソードを教えてくれた。

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 今年51歳になるというのに、まるで少年のようないたずらっぽい笑顔を浮かべながらインタビューに応じてくれた監督。その笑顔を観ていると、監督の映画で子どもたちがとても生き生きと演技をしている理由がわかった気がした。

 最新作『題名のない子守唄』は、北イタリアのトリエステを舞台にしたミステリー。ウクライナ人のイレーナは、テアという4歳の少女が暮らす裕福な家庭でメイドとして働き始める。それと並行して挿入されるイレーナの忌まわしい過去の記憶。彼女は一体なぜこの家庭で働いているのか。そして彼女に忍び寄る黒い影。謎が謎を呼ぶ展開からは一瞬たりとも目が離せない。そして最後に明らかになる衝撃の真実とは・・・・・・。本作はイタリアのアカデミー賞と言われるダヴッィド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞を始めとする主要5部門を独占した。

『題名のない子守唄』9月15日よりシネ・スイッチ銀座、新宿バルト9ほかにて公開
オフィシャルサイト komoriuta-movie.com

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