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森田監督、『椿三十郎』リメークで「プレッシャーをモチベーションに」

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キャスティング完ぺきです。
キャスティング完ぺきです。

 長年にわたり、日本映画界をリードし続ける森田芳光監督の最新作映画『椿三十郎』。これまで日本人では誰も挑むことのなかった「黒澤明作品のリメーク」にチャレンジし、笑えて泣けるエンターテインメント作品に仕上げた森田監督に話を聞いた。

 「よくプレッシャーだったでしょって言われるけど、それもモチベーションに変えました」と笑顔で語る森田監督は、「オリジナルが素晴らしいんで、本能的に演出すれば絶対面白いものになると自分に言い聞かせ、とにかくみんなが自己ベストを出して頑張ろうと思いました」と偉大なる黒澤作品と向き合った心境を明かした。すでに完成された名作に、リメークというアプローチで現代的な息吹を送り込む。そこで最も重要だったのは「やっぱりキャスティングですよね」と森田監督は語る。

 主演は織田裕二以外に考えられなかったという。「すごいオーラを持っているし、オリジナル版の主演である三船さんとはまた違った現代のリーダーとしての顔をしている。映画に対する魂の込め方という点では、かつてコンビを組んでいた松田優作と共通している」と“織田三十郎”の魅力を語る森田監督。

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 一方、松山ケンイチを筆頭に個性豊かな9人の若侍が物語を大いに盛り上げている点も見どころだ。松山を除く8人は、オーディションによって、ほとんど無名の若手俳優たちがキャスティングされた。

 「起用したポイントは、まず誠実さ。役者としての個性は、その誠実さあってこそだから」と語る森田監督は、さらに「悪いことしそうなやつは会った瞬間、直感で分かりますし。今回でいえば、撮影から公開まで丸1年以上の時間があるんで、その間に悪いことされたらたまらないですよ(笑)」とコメント。一瞬、冗談っぽく聞こえるが、そこにはキャスティングも含め映画全体を背負う“監督”としての強い責任感が感じられた。「2か月以上所作(しょさ)や武士の精神などを訓練しましたし、1人1人の個性が出るように演出しました」と語る口調は作品同様、とても弾んでいる。

 森田監督は、今回のリメークをきっかけに、黒澤作品を始め、過去の偉大な作品を観てもらえればうれしいと語っている。「映画監督というものが作品にどう関わっているかどうかという見方をすれば、“監督で映画を選ぶ”ことができるようになります。そんなファンが増えれば、いい映画と出会うチャンスもぐっと広がると思います」という言葉にはリメークの意義はもちろん、映画をより楽しみながら、愛してほしいという監督の気持ちがこめられていた。

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 最後に「やっぱり、若い人に観てほしいんですよね。時代劇だからって敬遠する人もいるかもしれないけど、織田裕二や豊川悦司、そして松山ケンイチが江戸時代のコスプレしてるって感覚で楽しんでほしい。笑いとスリル、そして人間ドラマ。描かれる内容はとても現代的ですから」と森田監督。お正月映画シーズンに真正面から切り込む、にぎやかで痛快な『椿三十郎』の出陣だ。

 映画『椿三十郎』は、役人の汚職を暴こうと奮闘する四十手前の浪人(織田裕二)と若侍たちの活躍を描いた時代劇。オリジナルは黒澤明監督の同名作『椿三十郎』である。

映画『椿三十郎』は12月1日より全国公開
オフィシャルサイト tsubaki-sanjuro.jp

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