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衝撃!「レイプ・オブ・南京」を基に元AOL副会長が映画化…日本、中国を徹底リサーチ

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AOLの元副会長という経歴のテッド・レオンシスプロデューサー
AOLの元副会長という経歴のテッド・レオンシスプロデューサー - 写真:細木信宏

 2007年のサンダンス映画祭で話題になったドキュメンタリー作品映画『南京』。AOL(アメリカ・オンライン)元副会長のテッド・レオンシスが、200万ドルを投じて製作した意欲作だ。同映画は、中国人系アメリカ人であった女流作家アイリス・チャンの著書「レイプ・オブ・南京」の一部をベースに、当時南京に残った西洋人の日記や手紙と南京大虐殺の生存者と日本軍兵士たちを取材したものを中心に構成されている。立ち上げからファイナル・カットまですべてに携わったテッドに話を聞いてみた。

 製作のきっかけは、「ニューヨーク・タイムズ記載されていたアイリス・チャンが自殺したという死亡記事を読んだときに、当時の中国人を守るために南京に残り、セーフティー・ゾーン(安全地帯)という犠牲者を保護するための場所を確保した西洋人たちのことが記述されていたのです。その記事に刺激されてから、そのような環境化で、自分は同じような行動を取ることができるだろうかと考えてみたのです」と答えた。

 この映画のリサーチについては「38人の研究者を雇って、中国と日本だけでなく世界中からその資料を集めました。そのセーフティー・ゾーンで活躍した中の1人にミニー・ヴォートリンという女性がいたのですが、彼女が書いた1100通もの手紙に、当時の出来事が詳細に記されていて、それを中心に調べました」と話した。

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 その手紙や日記などを映画内で伝える過程で、まるで舞台のように朗読させた理由については「もちろん、有名な俳優がかかわることで、この事件を重要視させただけでなく、アーカイブ映像とインタビュー取材を繋げてくれる一つの架け橋になってくれています。俳優たちが、この西洋人たちの魂をよみがえらせてくれたのです」と語り、さらにこの戦時下の中で、西洋人を中立な立場として見ることは少しナイーブではないかという問いに「歴史は、先人たちが見てきたものを詳しく説明したものだと思っています。

 そんな中で、わたしが今回掲げた目標は、アメリカでは、あまり知られていないこの惨劇に光をともすことでした。現在、わたしたちの映画以外に7作品(中国の観点や日本の観点も含め)が、この南京のことに関して製作されていて、ホロコーストを扱った何百作品と同じように、さらに掘り下げた作品が出てきてくれればいいと思います」と熱意を語ってくれた。

(取材:細木信宏 シネマトゥデイ)

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