森山良子に直撃インタビュー!新曲「ねがい」に込めた思い
第二次世界大戦後、戦犯裁判にかけられた岡田資(たすく)中将の“法戦”を描いた映画『明日への遺言』で、主題歌「ねがい」を歌っている森山良子に、曲にかけた思いを語ってもらった。
小泉堯史監督からの依頼で、初めて映画の主題歌を書き下ろしたという森山は脚本を読んでは泣き、試写を観ては泣いたという。「法廷の場面で何事もないように、言葉は交わさなくても、お互いの思いを伝え合って、了解し合っている……そんな、岡田中将が妻と目と目で気持ちを交わしたときの思いを想像するだけで涙が出てきた」と森山。「映画が伝えている以上の言葉がなかなか見付からず、すごく考えたけれど、妻の立場から観たほうが、自分らしい曲が書けると思い、残された妻の立場で、生まれ変わったら、またあなたと一緒になりたいという深い思いを歌にできたら……」と苦労した曲作りについて話してくれた。
「ねがい」というタイトルも平和への願いであったり、家族と家族の結び付きの願いであったり、妻が岡田中将に対して、今別れてもまたあなたと2人になりたいという願い、この地球という青い星がいつまでも輝いているように……そんな、いろいろな思いの願いを込めて付けたという。ひらがなにしたのは「その方がすべての願いに通じていくかな、と思った」と森山。また「家族の愛とか、部下を思い、支えようとする責任感とか、心の強さというものは岡田中将が亡くなった後もその意志は受け継がれ、絶対に語り継がれていけるものだと思う」と語った。
「映画を観て“岡田中将のような人がいる”というのをみんなが知って、自分の気持ちを正したり、もっと強くなったり、何かを信じて生きて行こうと思ったり、誰かを助けてみようと思ったり……、そういう思いをはぐくむためにこういう映画が作られてきているのかな」としみじみと語った。
小泉監督が「岡田中将の生き方はわたしの希望だ」とコメントしているが、岡田中将の人物像については「真っすぐでうそがなく、周りを大事にして、自分の思いを貫き、しかも常に上昇志向で自分を高めようとする意識を持っている人物で、本当に素晴らしい」と興奮気味に話してくれた。
法廷のセット現場を訪問したという森山は、その場所で「ここからどういう風に何が生まれていくのかなあ~」と思いをはせ、「一人一人の演技が浮かび上がって見えてきた」とストーリーをいとおしむように語った。
最後に「人の真実の部分を突き詰めて、もっと自分らしさを磨いて生きていける人間になりたいな、という希望や思いを起こさせてくれる映画です。戦争の映画ということだけじゃなくて、いろんな思いが詰まっているので若い人にも観ていただいて、たくさんの人に心を開いて感じてほしい」とメッセージをくれた。
映画『明日への遺言』は3月1日より全国公開
オフィシャルサイト ashitahenoyuigon.jp
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