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「つぐない」無実で刑務所送りになる青年演じたジェームズ・マカヴォイを直撃!

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ジェームズ・マカヴォイ
ジェームズ・マカヴォイ - 写真:Nobuhiro Hosoki

 アカデミー賞にもノミネートされ、数々の賞を受賞した映画『つぐない』で政府高官の娘セシーリアの恋する相手で、彼女の妹のうそによって思わぬ方向に人生を狂わされたロビーを演じたジェームズ・マカヴォイに話を聞いた。【関連画像はこちら】

 「個人的に、前からこの時代に興味を持っていたんだ。わたしのリサーチは、書物から吸収してきたものだけど、そんな本やテープなどを見て学んだことよりも一番重要だったのは、ダンカークで戦った二人の退役軍人に出会って話が聞けたことだ。彼らは、当時の思い出したくない暗い話を、極力語らないようにしながらも興味深く面白く話をしてくれた。最終的には、彼らが手を握って語ってくれた感情の真実が、何よりもこの映画に収穫を与えてくれたと思う」

 そのダンカークのビーチでの映像は、なんと1000人以上のエキストラの中、6分もの長回しをしている。「監督のジョー・ライトがこの話を持ちかけてきたときは、挑戦的なことをやると思ったよ。実際このシーンの撮影は一日しかなかったんだ。なぜなら、1000人以上のエキストラを一日以上雇う予算がなかったんだ。撮影中は、ジョーがクルーの刺激を奮い立たせながら、全員が全力を出し切ってやっていたと思う。エキストラの大部分がローカルの人たちで、彼らの協力がなければ、この映画の重要な箇所が無駄になり、優れた作品にならなかっただろう。このショットは3テイク半で撮った。最初の2テイクは完全な失敗で、4テイク目は、ずっと一日中ビーチの砂上で約130kgのカメラを抱えたステディカム・オペレーターのピーター・ロバートソンの足が、体を支えきれずに倒れてしまったんだ。彼は本当の意味でヒーローだった。このシーンは映画が共同製作の証だと思わせてくれた。あれだけのエキストラの中で成功させるなんて奇跡だよ!」

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 去年の暮れまで、この映画がアカデミー賞のフロントランナーだった。これほどメディアから期待されるとかなりの重圧があったはずである。「記者からインタビューされると否応にもその話を聞かされる。だが、それ以外は意図的にその話を避けてきた。それは、そういう風に言われている映画が、必ずしもその映画の質と評判が平行していないときがあるだろう。悲劇なのは、うわさがその映画を台無しにしてしまうことなんだ。もちろん、そう評価されるのはすごく光栄なことではあるし、この映画に関わったことを誇りに思っている。ただ、自分の発言が何か影響を及ぼすのが怖いんだ」

 この映画の魅力はヒロインを演じるキーラ・ナイトレイの演技が重要な鍵を握っている。
「彼女のとの共演は楽しかったよ。彼女は今回洗練された演技を一生懸命こなしていた。
今や彼女は大スターだけど、撮影中はお互い笑いが絶えることがないくらいに仲が良かった。もちろん、あまり気が合い過ぎると演技に支障をきたすかもしれないが、そういったオープンな姿が上手くコミュケーションを持たせてくれたと思う」

 映画『ラストキング・オブ・スコットランド』でも存在感をみせた彼は日本での知名度はまだ高くない。この映画がきっかけでファンが増えることに違いない、今後注目の俳優である。

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