コリン・ファースに直撃インタビュー!ミュージカル映画『マンマ・ミーア』での美声は?
映画『ブリジット・ジョーンズの日記』『ラブ・アクチュアリー』やテレビ、舞台で活躍するコリン・ファースが映画『ウェン・ディドゥ・ユー・ラスト・シー・ユア・ファザー?』(原題)について語ってくれた。本作は、作家ブレイク・モリソンが末期がんを患った実父との交流を描いた回想録で、なぜ自分が父親を受け入れることができなかったのかを追求したドラマ作品だ。
‐あなた自身がこの役を通して得たものは何だったのでしょうか?
(コリン・ファース)具体的に「こうだ」とは言い切れない部分もあるけれど、強いて挙げるならば、自分の人生を振り返ることができたことかな。子どもを持つ父親として、また、親のいる子どもとしての自分を両方の目線で考えさせられた。実際、わたしの父親はジム・ブロードベントが演じた父親とはあまり共通点がないんだけど、このキャラクターが持つナルシストな部分や人の気を引こうとするあたりはわたしによく似ているよね。
‐ジムが演じた父親とは好ましくない関係に陥ってしまいますが、彼と共演してみていかがでした?
(コリン・ファース)ジムと初対面の初共演だったとしたら、完成した作品とは一味違った映画に仕上がっていただろうね。ジムとは2度共演しているんだけど、会うたびに彼の大きな愛情に引き込まれていったよ。ジムはとても人情的で、かわいらしい一面を持っていてね。そういった部分を持ち合わせているからこそ、彼の前では演技をする必要がないほど自然にできたんだ。ただ、彼に常に怒っているという設定のキャラクターにはかなり苦労したけど(笑)。
‐あなたがこれまで演じてきたキャラクターで、一番気に入っているキャラクターは何ですか?
(コリン・ファース)気に入った作品はいくつかあって、一つに絞るのは難しいな(笑)。そのすべてが自分の中の違う神経を刺激してくれる映画だからね。今回の映画の原作は特に気に入っているし、監督のアナンド・タッカーやジムとの共演も相まって出演の決断にはまったく時間がかからなかったんだ。連続して良作に出会えるなんて奇跡だよね。
‐これから公開されるミュージカル映画『マンマ・ミーア』(原題)の出演はいかがでしたか? 劇中では美声を披露していますが。
(コリン・ファース)う~ん、音を立ててるだけだよ(笑)。出演は楽しかったし、自由ではあったけれど、それと同じくらい恥ずかしかったね。この映画で今まで保っていた威厳は失われるだろうなぁ(笑)
‐『ブリジット・ジョーンズの日記』パート3への出演の可能性は?
(コリン・ファース)最新作の脚本を読んでいないからわからないけど、2作目のセットにいたときに、ヒュー・グラントが「この映画に出演すると承諾した記憶があるかい?」と聞いてきたんだ、わたしは「全然」と答えたよ。いつの間にか出演していたという感じさ。だから3作目があるとしたら、きっとそんな感じで出演するんだろうね。家庭崩壊の危機にさらされている年を取った役柄でね(笑)!
コリンは役者以外でも妻のリヴィアと共同で、不当に拘束され死刑囚となっているムミア・アブジャマルについてのドキュメンタリーを製作するなど活躍の場を広げている。彼の仕事に対する絶え間ないエネルギーには脱帽だ。(取材・文:細木信宏)