ハリウッドがまたストに突入か!?全米俳優組合ストライキ決行かで大揺れ!
ついこの間全米脚本家組合(Writers Guild of America 通称WGA) の大ストライキがやっと終了したと思ったら、今度は全米俳優組合(Screen Actors Guild of America 通称SAG)のストライキ決行か否かで、ハリウッドが再び大きく揺れている。
12万人の組合員を誇るSAGの大型ストライキが前回行なわれたのは30年近い昔になる1980年のこと。論争の的となったのは、ビデオ映画、ケーブルテレビ並びにペイパービュー(1回ごとにお金を払って比較的新しい映画をテレビで観られるシステム)関連の収益から、当然俳優にも支払われるべきギャラについての交渉に折り合いがつかず、3か月にも及ぶストへ突入した。
今回の重要ポイントとなっているのは、WGAストライキのときと同様でインターネットから得る収益をどのような割合で、俳優たちに配分するかである。
SAGの契約交渉は、WGAストライキが終了した直後の4月からスタートした。交渉の相手は、WGAストライキのときに悪役としておなじみになってしまった、大手映画スタジオお偉方プロデューサーたちである。彼らにいわせてみれば、WGA、そして全米監督組合(Directors Guild of America 通称DGA) は契約にOKしたのに、なぜSAGは欲を張って同じ契約に合意しないのか? という言い分なのだが、SAGにはSAGの言い分があり喧々囂々(けんけんごうごう)。ついに今夜の深夜で現存の契約が切れ、7月1日からは特別な許可証がない限り組合員の俳優たちは撮影に参加してはいけないことになっている。
万が一スト決行になったときに備え、先週から大手スタジオは早々に映画の撮影を中断し、制作関係者たちを一時解雇している。当然のことながらこの間、彼らの収入はゼロとなる。 世界的にも報道されているアメリカの不動産暴落、ガソリン高騰による物価高のあおりで、ただでさえ切羽詰った状況にある台所事情であり、何としても避けたいSAGのストライキである。この件に関しては、SAG組合内でも組合同情派と反対派で意見が真っニつに別れており、事態は落ち着くどころか加熱する一方である。
契約切れ直前の今夜になり、プロデューサー陣営よりSAGに対して新契約最終案が提出された。この後は一歩も譲らないと言い切るプロデューサー側。今後は、組合代表並びに専門家たちがこの新契約を検討した上でスト決行か否かの決定を下すこととなり、結果がわかるのはまだ数日先となる。
ハリウッドに3か月の氷河期をもたらしたWGAストライキのトラウマから、やっとのことで立ち直りつつあるハリウッド。SAGのストライキは映画関係者だけでなく、市民全体が無事回避を心から願って止まない。