宮崎あおい、撮影現場の重苦しい空気を癒した魔法の言葉とは?
2日、シネマライズで話題の映画『闇の子供たち』が公開初日を迎え、阪本順治監督と主演の江口洋介、宮崎あおい、佐藤浩市が舞台あいさつを行った。タイを舞台に人身売買や幼児売買春、違法な臓器移植などショッキングな題材を描いた本作。登壇したゲストも宮崎を除いて皆神妙な面持ちで緊張感漂うムードの中、舞台あいさつがスタートした。
「昨年4月にタイで撮影を行ったのですが、製作が危ぶまれる事態も何度かありました。重苦しい雰囲気の現場での唯一の救いは宮崎さんが立ったり座ったりするたびに発する『よいしょ!』の声。それがわたしたちに対するかけ声のように聞こえ、また頑張ろうと思いました」と阪本監督。野心あふれる新聞記者・南部を演じた江口も「タイはとにかく暑くて、夜でも33、34度を下らなかったし、頭の中では常に台本がグルグル回っていました。食事をするときだけが気を抜ける時間。現地でケータリングしたタイ料理にどれだけ慰められたことか」と撮影のハードさを語った。
そんな中、NGO職員・音羽役の宮崎だけはいつもの天然ぶりを披露。現地ではビジネスホテルに滞在したそうだが、「帰ると必ず、ホテルの入口にたくさんの虫が待っているんです。それが嫌でマネージャーさんに先に帰ってもらい、虫を追い払ってもらいました。やっと部屋にたどり着いたと思ったら、部屋の入口にもまた虫がいるんですよ。撮影中も虫に囲まれて……。でもいい経験をしました」と不思議なコメントで会場の笑いを誘った。
これまで阪本監督作品に多数出演してきた佐藤は、本作ではタイで臓器移植手術を受ける子どもの父親を熱演。「阪本監督は次のシーンのことを考えると飯も取れなくなってしまう真摯(しんし)な姿勢の人。映画が人生という今や貴重な監督の一人です」とハードな大作を撮り終えた阪本監督にエールを送った。
映画『闇の子供たち』はシネマライズほかにて全国公開中