テロの脅迫が8月に2度も…有名人ご用達高層ビルがパニック!
ロサンゼルス市内にある高級オフィス街、センチュリー・シティーの中にそびえるMGMタワーが8月に入ってから2度もテロの脅迫を受けていたことがわかった。センチュリー・シティーはその昔、映画『ダイ・ハード』のナカトミ・プラザで有名になったFOXプラザを始め、エンターテイメント業界関係の会社がひしめき合う高層ビルが立ち並ぶ場所で有名。
その中にそびえるMGMタワーも、その名のとおり業界ビルの一つ。同タワーには、トム・クルーズ手掛けるユナイテッド・アーティスト社、女優サルマ・ハイヤックのプロダクション会社ヴェンタナロサ、そして業界屈指の強力タレント・エージェンシーであるICMなどがオフィスを構えている。
そのMGMタワーが、8月に入って1度ならず2度もテロ脅迫を受けていた。1回目は爆破予告。8月4日の早朝、ビル内で働く某社員が、自分にかかってきた電話に出たところ、突然男の声で、「ビルに爆弾を仕掛けた。正午に爆発する」という趣旨のことを言い電話を切った。通報を受けたセキュリティー本部は、綿密な捜査と爆弾探知を行なったが、爆弾らしきものも痕跡もみつからず、結局この爆破予告はイタズラ電話であったことが判明した。だが、警察が爆発物を捜査している最中、ビル内に居たすべての人たちが4時間に渡って表で待たされ散々な迷惑を被った。
さて、MGMタワーの悪運はここでとどまることを知らず。爆弾予告事件から1週間もたたぬある日、なんと今度は、タンソ菌ばらまき脅迫の電話が入ったのだ。メインの電話センターに入ったこの脅迫電話は、再び男の声で、「20階にある空調口から、タンソ菌を送り込む」という内容のものであった。
9・11から間もなく、郵便でばらまかれ、その結果数人の死傷者を出したこの病原菌の恐ろしさは有名である。パニック寸前のMGMタワーには早速、ビルのエンジニア、そしてロス市警が総出動で空調システムを調べた。しかし、結果、人がさわった形跡は見られず、その日のうちにビルディング内のテナントすべてに、安心して仕事に戻るようにという手紙が配られた。
いずれにせよ、ビル内の大手数社は、万が一に備えてタンソ病に見舞われた場合の初期症状を提示したメールを全社員に配布するなど万全の構えを取った。MGMタワーも、工事関係の人間をエスコート付きで工事現場に案内したり、空調室への立ち入りを厳しく制限するなど厳重な警備体制をとっている。犯人はいまだ捕まっていない。