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市川準監督死去、亡くなる直前まで編集していた遺作が東京国際映画祭で上映

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市川準監督
市川準監督

 19日、『東京夜曲』『トニー滝谷』などの映画監督、市川準氏が東京都渋谷区の病院で死去した。そのあまりに突然の知らせに関係者らは驚きを隠せない状況だ。最新作となる短編映画『buy a suit スーツを買う』の配給元や関係者に、最新作や最近の監督の様子について話を聞いた。

 亡くなる前日まで最新作の編集作業をされていたそうで、関係者らも突然の出来事に「まったく突然のことで、ぼうぜんとしています。特にお体の具合が悪かったということも聞いていませんでした」といまだに信じられないといった様子だった。

 遺作となった『buy a suit スーツを買う』は、助監督の末永智也をはじめ、気心の知れた仲間たち数名で作った自主映画で、俳優は一人も出演していない完全プライベートフィルムだ。今までにも映画『東京兄弟』『東京夜曲』『東京マリーゴールド』など、東京をモチーフにした作品を数多く撮影している市川監督。撮影は昨年の12月に2日間で行なわれ、監督自らが家庭用HDを片手に東京の街を撮影して回ったそうだ。

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 すでに作品を観た関係者によると「監督の東京に対する思いが詰まった、とても温かい映画です。泣ける作品に仕上がっています」とその出来栄えをたたえている。

 本作は10月18日より開催される第21回東京国際映画祭の「日本映画・ある視点部門」で上映が決まっており、当初10月23日に行なわれるティーチインには市川監督が登壇する予定だったという。現在、登壇ゲストは調整中だが、20日と23日に上映されることは決定している。

 市川準監督は東京都出身の59歳。CMディレクターとしての活躍は有名で「禁煙パイポ」や「金鳥・タンスにゴン」など数多くヒット作を手掛けている。1987年に富田靖子主演の映画『BU・SU』で監督デビューし、映画『竜馬の妻とその夫と愛人』など映画でも数々の話題作を世に送り出している。

短編映画『buy a suit スーツを買う』は2009年、渋谷ユーロスペースにて公開

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