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全米俳優組合スト戦線!ついに連邦調停人が登場!今週がヤマ

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こちらは、去年の全米脚本家組合のスト
こちらは、去年の全米脚本家組合のスト - Photo:Akemi Kohzu

 ストライキをする、しないでなかなか決着がつかない全米俳優組合(SAG)vs.全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)間の契約論争。7月1日12:00に前期の契約が切れて以来3か月以上が経過した10月になっても、いまだに解決のめどが立たないこの論争に組合員内から、大きないら立ちの声があがっている。

 新たに、話し合いの場を持ちたいという要請をことごとくAMPTP側から却下され続けているSAGの上層部は、ついに今月初めにいよいよストライキ可決投票を行なうと発表を行なった。悪化の一途をたどるアメリカ経済の渦中で、この取り決めに対しSAG一般組合員たちは、「上層部は自らのプライドとエゴのためにわれわれ組合員たちのことも考えずに現状を維持をしている!」という非難が殺到。

 ストライキは一般組合員たち全体数の75%が同意しないと実行されない。これを念頭に置き、現状を再検討したSAGは、最後の手段で連邦調停人を依頼。これは国から派遣された仲介人を立ててAMPTP側と話し合いを持つということなのだが、AMPTP側は、連邦調停人を立てた話し合いに同意しなければいけないという法律はない。去年の全米脚本家組合(WGA)のストライキも、連邦調停人を立てたものの協議が決裂し、結局は100日にも及ぶストライキへ突入、という結果になったのである。

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 SAGにとって最悪のケースは、AMPTPとの話し合いが再開しても、双方が合意しないまま再び決裂するパターンである。これはWGAがたどった結果と同じという想定だが、SAGの立場は、WGAの立場よりももっと繊細(せんさい)である。経済下降をたどる現在のアメリカで、SAG組合員たちの3分の2以上のストライキ賛成票を得るのは難しいと見られており、これを踏まえてAMPTP側がSAGにほかの組合よりも良い内容の契約を提示することは、まずないだろうと見られているからだ。

 おまけにSAG組合員の同意を得られずストライキも起こせない状態となれば、そのときにSAGにつき突けられるのは、悪くするとプロデューサー側が改訂をほどこしたもっと内容の劣る契約書、ということにもなりかねず、今までの強硬な体制がヤブヘビになってしまう可能性がある。

 インターネット上で公開される映画やテレビなどに対するギャラの配分が焦点の契約論争。調停人を立てた双方が話し合いするというめどが、今週中にも立ちそうだという報道が入ってきた。SAG上層部もいよいよ正念場を迎えている。

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