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ヒット曲の連発から殺人、自殺の最期!世界初のインディペンデントレコードプロデューサー【第52回ロンドン映画祭】

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映画『テルスター』(原題)より
映画『テルスター』(原題)より

 10月25日(現地時間)、世界初のインディペンデントレコードプロデューサーとして60年代にヒット曲を連発した数年後、殺人、自殺というショッキングな最期を遂げたジョー・ミークのヒット曲をタイトルにした映画『テルスター』(原題)のワールドプレミアがロンドン映画祭で開催された。

 かばん屋の上階にあるフラット、当時の普通の住居らしい花柄の壁紙の廊下の白いドアを開けると、各部屋に弦楽器の一団、ドラムやギターのバンド、トイレにはボーカルがいるといったコメディーのような風景で始まる本作は、ところどころに精神のバランスを崩していくジョーの晩年の様子が挟まれ、ゆかいな音楽仲間の話ではないことを冒頭からにおわす。同名の舞台に続き映画版でも主演となるコン・オニールは、ずば抜けた音楽的センスを持ちながら、自滅していくジョーを迫真の演技で見せている。個性的な音楽家たちが多い登場人物の中で一人きびきびとしたビジネスマンをケヴィン・スペイシーが演じている。
                                
 ケヴィン、オニールとも仕事の都合で不参加のレッドカーペットでメインとなったのは、元リバティーンズのカール・バラット。ファンの期待の高さの現われか、リバティーンズ再結成のうわさはカール自身が否定した今も根強い。現在はダーティ・プリティ・シングスを率いるカールだが、大学では演劇専攻。本作では、ビートルズにも影響を与え、ロックの殿堂入りもしている歌手ジーン・ヴィンセントを演じている。演技についても聞いてみたいところだったが、ロックスターらしく(?)質問は受け付けないということか記者団の前は素通り。

 テルスターを大ヒットさせたトルネードスのベーシストで、ゲイだったジョーと愛憎入り混じった関係になるハインツ・バートを演じるJJ・フェイルドは「カールは役者としても素晴らしい」と評し、やはり歌手役で登場する元ダークネスのジャスティン・ホーキンスについては「すごく面白いキャラクター!」と語った。

 本作の最後には登場人物のその後が紹介され、ディープ・パープルジミ・ヘンドリックスなどの名前も出る。ロック・ヒストリーに興味のある人にもお勧めの作品だ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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