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『空気人形』完成!是枝裕和監督は「ペ・ドゥナのファンとして大満足です!」

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是枝裕和監督とペ・ドゥナ
是枝裕和監督とペ・ドゥナ

 映画『誰も知らない』『歩いても 歩いても』の是枝裕和監督の新作で去年の12月17日にクランクインしていた映画『空気人形』が、今年1月31日にクランクアップを迎え、是枝監督と等身大の空気人形を演じた主演の韓国人女優ペ・ドゥナがインタビューに応じた。

 堤幸彦監督、中谷美紀主演の映画『自虐の詩』の原作者としても知られる業田良家の短編を基に、人形でありながら心を持ち人間に恋をする姿を見つめた本作。「中盤、一つのクライマックスがあるんです。非常に見事で官能的なカットになっていて。ストレートに言ってしまえば、息というものをメタファーにしたセックスが描かれていた。これは映画にしたいと思いましたね。チャレンジのしがいがあると」と原作に出会ったときのことを熱っぽく語る是枝監督。

 また「人形が心を持って人間に近づいていくのと並べて、人形と同じように空虚感を抱えている人間たちが描かれる。そこに取り組むのは今だと」とこの作品に惹(ひ)かれた理由を話す。ペ・ドゥナについては「プロフェッショナルでしたねぇ。いろんな表情を撮れて、今回、僕はペ・ドゥナのファンとして大満足です」と無邪気な笑顔も。

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 難しい役柄に挑んだペ・ドゥナは「人形を主人公にしてはいるけれども、人間の物語を象徴的に描いています。作品を拝見していて、是枝監督に対する信頼もありました」と映画『グエムル -漢江の怪物-』以来となる映画出演を決めた理由を語り、「生きているという実感がありました。人形として2か月間を過ごしましたが、生まれ変わって換気をされているような気分でした」とすがすがしい表情を見せた。

 珍しくCGも使用した是枝監督だが、基本はやはりロケでの撮影。「今回は息がテーマ。ということは風がテーマです。それはセットでは表現できない。撮影した部屋には、窓がなかったんですけど、わざわざ作ってもらったんですよ」とこだわりを語る是枝監督の姿からは、新たな秀作の誕生を予感させた。

映画『空気人形』は秋、渋谷シネマライズほかにて全国公開

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