新作映画『ザ・バンク-堕ちた巨像-』についてクライヴ・オーウェンが語る!
映画『インサイド・マン』『シューテム・アップ』などで有名なクライヴ・オーウェンが、新作映画『ザ・バンク-堕ちた巨像-』について語ってくれた。
本作は、インターポール(国際刑事警察機構)で働く捜査官(クライヴ)が、汚職にかかわっていると疑いを持つ大手銀行機関を地方検事(ナオミ・ワッツ)とコンビを組んで捜査するアクション・スリラー。監督は映画『ラン・ローラ・ラン』『パフューム ある人殺しの物語』のトム・ティクヴァだ。
まず注目なのは、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で、最近の映画では観れないような激しい銃撃戦を撮影している点。「これまでおれがかかわってきた映画の中でも、一番のシーンだと思うよ。トム監督からは早い段階でこの銃撃戦の話をされて、爆発的な緊張感のあるアクションを撮ると教えてくれたんだ」と絶賛。グッゲンハイム美術館と同じものを作り、アクションシーンがあるときはレプリカ、そうでないときは実際の建物と、行ったり来たりしていたそうだ。全部を合わせると約5週間の撮影で、実際のグッゲンハイム美術館では2年間もの交渉のすえに、2日間の撮影期間を得ることができたとのこと。
撮影はイスタンブール、ベルリン、ニューヨーク、ミラノと世界各国で行われたのだが、クライヴは「イスタンブールだけが唯一、行ったことがない場所だったから、すごく刺激を受けたよ。撮影ではグランドバザールと屋根裏のシーンが印象に残っているね。ただ、撮影の毎日だったらか、ホテルと現場の往復で、イスタンブールを満喫できる状態ではなかったけど。今度行くときは観光したいね」と話してくれた。ちなみに、このグランドバザールのシーンには、買い物客や歩行者がいる中、銃を片手にクライヴが走り回っている映像がある。撮影でグランドバザールを一時的に閉鎖するのは不可能だったので、ほぼゲリラ的に撮影されたものなのだそうだ。
本作は、実際に起きたBCCI(バンク・オブ・クレジット・アンド・コマース・インターナショナル)のスキャンダルを基に製作された作品だが、それについてクライヴは「そういう出来事が過去にあったのかと目を見張るものばかりで、グローバリゼーションについても、銃の流通についても考えさせられたね。これだけの銃が売買されているんだから、何らかの形で巨大な銀行が関与していてもおかしくないよ」と語ってくれた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)
映画『ザ・バンク-堕ちた巨像-』は4月4日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開