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76歳の名優マイケル・ケインを直撃!『ターミネーター4』でキレたベイルの気持ちは理解できる

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マイケル・ケイン
マイケル・ケイン - Photo:Nobuhiro Hosoki

 2000年にSir(サー)の称号を与えられたイギリスの名優マイケル・ケインが、新作映画『イズ・エニバディ・ゼア?』(原題)について語ってくれた。本作は、1980年代を舞台に、海岸沿いの老人ホームを経営する両親のもとで育った10歳の少年エドワード(ビル・ミルナー)が、引退した頑固なマジシャン(マイケル)と交流を深めていくという心温まるドラマ。

 数多くの素晴らしい映画に出演してきたマイケルにとって、最も印象に残っている作品は何だろうか? 「映画は、舞台と違ってとても印象深くなる。まずは映画『ズール戦争』だね。10行以上のセリフをもらった初めての映画なんだ(笑)。映画『国際諜報局』ではタイトルの上にわたしの名前が付いていたっけね。映画『アルフィー』では、イギリスだけでなく、アメリカでも認知されるようになった。南フランスに別荘を設けてもらって、撮影期間中そこで暮らしたのがとても印象深い、コメディー映画『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』というのもあったね。ただ一番好きなのは映画『ハンナとその姉妹』かな? あのニューヨークで撮った温か味のある映画が忘れられないよ!」と貴重な話を聞かせてくれた。

 映画『ダークナイト』で共演したクリスチャン・ベイルが、映画『ターミネーター4』のセットで撮影監督にマジギレしたことについて「クリスチャンとは映画『バットマン ビギンズ』『プレステージ』などで共演しているが、怒ったところは見たことがないし、普段はもの静かな男なんだよ。暴言なんか吐いたこともないし、せいぜい自分の失敗に悔しがっていた程度さ。でも、クリスチャンがキレたときの状況を聞くに、わたしも彼の怒りを多少は理解できるかな」と語り、現場で全力を尽くす俳優同士だからこそ理解できる部分もあったようだ。

 マイケルは今年で76歳。精力的に活動し、毎日5マイルのウォーキングは欠かせないという。最後に、少し失礼な質問かと思ったが、引退について尋ねてみた。「引退? そんなことは考えてもいないね。それに生活するために仕事をしているわけじゃなくて、俳優という仕事をただ楽しいんでいるだけなんだ。いつも自分を改善するために働いてきた。だからほかの俳優に競争心を抱くことがないんだ。自分自身が最大のライバルだからね(笑)。だから自分が納得するまで、わたしは自分自身を見下す最も悪い評論家でもあるんだよ!」と老いを感じさせない力強い答えが返ってきた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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