伊勢谷友介、太宰代表作『人間失格』で遊び人役に!
俳優、伊勢谷友介が、文豪、太宰治の生誕100年記念映画『人間失格』(荒戸源次郎監督)に、主人公の悪友、堀木正雄役で出演することが13日、わかった。
本作は、過剰な自意識ゆえに酒や女におぼれ退廃的な人生を生きる大庭葉蔵の物語。太宰が自殺する直前の1948年に発表され、女性と心中未遂を繰り返した実生活を投影した自叙伝的作品と言われる代表作の初映画化だ。伊勢谷は、主演の俳優、生田斗真演じる葉蔵を放蕩生活へと誘う6歳年上の兄貴分で、私立の美術学校を卒業し洋画を学ぶ画学生の遊び人、堀木を演じる。
伊勢谷は、東京藝術大学美術学部出身で、映画を中心に活動し、最近では第64回(2007年)ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作の映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(三池崇史監督)、第61回(2008年)カンヌ国際映画祭オープニング作品の映画『ブラインドネス』(フェルナンド・メイレレス監督)など、海外でも注目を集める実力派。一方、私生活では広末涼子、木村佳乃ら数々の人気女優と浮き名を流してきた“遊び人”で、堀木のイメージと重なる部分が多い。
本作を製作・配給する角川映画の井上文雄プロデューサーは「堀木は、江戸前の豪快さと兄貴気取りで無垢(むく)な葉蔵を翻弄(ほんろう)するも、実は繊細(せんさい)で嫉妬(しっと)深い男。けれんみと芸術性を兼ね備えた伊勢谷は、そんなユニークな役柄をクールかつコミカルに演じてもらえる稀有な俳優」と期待を寄せた。
『ブラインドネス』以来の映画出演で、2年ぶりの邦画出演となる伊勢谷は「海外の作品、日本の作品ということや、作品のテイストや役柄について前作との流れを考えたり、そういうことを意識したことがなく、いつもプレーンな気持ちで向かっているので、今回も与えられた役を大切に演じ、いつもと変わらない気持ちでトライしたい」と平常心。2003年の映画『赤目四十八瀧心中未遂』で映画賞30冠超を受賞した荒戸監督との初タッグには「大変光栄に思っております。監督が描き出す太宰の世界で、主人公を思い切り翻弄したいと思います」と熱演を誓っている。
7月にクランクインし約2か月間、撮影予定。今年は、テレビドラマ初出演を飾ったNHKの主演ドラマ「白洲次郎」(全3話、2話まで放送終了)に続き、文芸大作へ挑戦。精力的な活躍ぶりが注目を集めそうだ。
映画『人間失格』は2010年初春、全国公開予定