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死ぬまで石を投げつけられる処刑を描く!イラン出身の女優がその恐怖を語る

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この問題が世界に届けば……。ショーレ・アグダシュルー
この問題が世界に届けば……。ショーレ・アグダシュルー - Photo:Nobuhiro Hosoki

 昨年のトロント国際映画祭で映画『スラムドッグ$ミリオネア』に次いで評判を呼んだ映画『The Stoning of Soraya M.』(原題)について、オスカーノミネート経験のあるイラン出身の女優ショーレ・アグダシュルーに話を聞いた。

 本作は不当な理由で石打の刑にされた甥(おい)を持つイラン人女性の物語。石打の刑とは、罪人の体の半分を地中に埋め、大勢の者が死ぬまで石を投げつける処刑法。イランやアフリカなどのイスラム教国の地域で採用されており、主に同性愛や姦通罪が多い。

 石打の刑を映像で見たことがあるショーレは「この映画を観て、石打の刑が残酷だと思っている人は、実際の執行場面を見たら絶対に気絶するわ! 石打の刑に反対するイランの人々が、世間に知らせるために処刑執行中の映像をカメラに収めたビデオを密輸して、アメリカの映画業界で働くイラン人たちに配っていた時期があったの。18歳くらいの少年二人が同性愛の罪で、石を投げつけられていたわ……。しかも、1時間半もの間ね。……目を疑ったわ」と話してくれた。この石打の刑を伝える原作の「The Stoning of Soraya M.」が出版されたのは1994年。この難解な題材を、イラン出身のサイラス・ナウレステ監督が映画化を試み、知名度のあるイラン女優をキャスティングして、できるだけ多くの人たちに鑑賞してもらうまでには、10年以上の時間がかかった。

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 「この役をやることができて、活動家としてのわたしが解放された気がするの。現在のイランについて真剣に考えているわたしにとっては特別の映画よ。わたしが子どもだったころはこんなことなかったの。つまりイラン・イスラム革命が起こる前ってこと。こんな残酷な処刑は聞いたことがなかったわ」と沈痛な面持ちで語ってくれた。しかし当然のごとく、本作がイランで公開されることはまずないだろう。

 本作の試写では、石打の刑のシーンになった途端に目を背ける観客が多くいた。しかしこの映像を直視することが、最も重要なことなのではないかと思った。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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