うつ、アル中、自殺をコミカルに描く精神科医が撮った家族の形-エジンバラ国際映画祭
6月22日(日本時間23日)、現役の精神科医の監督デビュー作映画『マッド、サッド&バッド』(原題)のワールドプレミアが、エジンバラ国際映画祭で開催された。
これが初監督、初脚本となるアヴィ・ルースラは現役の精神科医で、タイトルの3つの言葉は心理学で問題行動を区分けするときに使われる言葉であると同時に、本作の主人公一家の3兄弟を表してもいる。とはいっても重い感じはなく、うつ、アルコール中毒、自殺といったことがコミカルに描かれる。夫婦、家族のきずな、女性の生き方を考えさせながらも、最後には落ちまで用意されて笑いのうちに終わるのは、多くの患者を診てきた達観からくるものか。
キャストにもイギリスのテレビコメディーなどでおなじみの芸達者たちをそろえ、予想外にサラリと楽しめる作品になっている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)