ヤッター!人気ドラマ「HEROES」にハリウッドで活躍する日本人俳優の出演が決定!
原因不明の突然変異により特殊能力を持った人々が、地球の危機を救うために悪の組織に立ち向かうアメリカの人気テレビドラマ「HEROES/ヒーローズ」のシーズン4に日本人の俳優、北村昭博が出演することがわかった。
北村が演じるのは、マシ・オカ演じるヒロ・ナカムラと同じ会社に勤めているサラリーマン、タダシ。ある事件がきっかけで強い自殺願望が芽生えてしまうという繊細(せんさい)な感情を表現する難しい役どころだ。
北村は俳優でもあり映画監督でもあるというハリウッドで活躍する数少ない日本人の一人。1979年生まれの今年30歳だが何と脚本では、この役の設定は45歳だったという。通常ならここで足踏みをするところだが北村のマネージャーは彼の才能を信じ、キャスティングディレクターに直談判しオーディションへの道を切り開いたという。なかなか強心臓の持ち主でないと臨めそうもないオーディションだが、北村は自分に才能があると言い聞かせてこのオーディションに臨んだらしい。「絶対におれの方が上だ! という気持ちで挑戦しました。その後に、監督とプロデューサーさんたちの前で演じるコールバック(2回目のオーディション)があって、有名な俳優さんたちが会場にいたときは一瞬緊張しましたが、いや演技の才能ではおれが上だ! と自分に言い聞かせていました。監督から違う風にやってみろと何回も何回も違う演技をさせられて、かなり長い時間をかけてオーディションをさせられました。終わった後に、プロデューサーの一人が一言、『エクセレント!』と言ってくれたんです」と当時を振り返った。
オーディションに合格した後に、当初の設定とは年齢も違うため脚本が書き変えられたらしい。「HEROES/ヒーローズ」の監督は北村に、「君は力強い顔をしている。何もしていなくても心の奥底にあるものが見える。ほかの役者を見たくなかった」と言ってくれたことを北村は今も感謝の気持ちでいっぱいだという。
北村昭博は12年前に高校を卒業して、渡米。ノースカロライナの映画学校で、映画制作を学びビバリーヒルズ・プレイハウスという演劇学校で、5年間演劇と監督術を学んだという。自らを自信家と称しながらも、それが地道な努力の上に成り立っているということがうかがえる。彼がビバリーヒルズ・プレイハウスに在学中に撮ったダニエル・ボールドウィンが出演する『I'll Be There With You 』はアメリカで劇場公開されDVD化もされている。また、映画『硫黄島からの手紙』キャスティングディレクターから声をかけられ『The Human Centipede (First Sequence) 』という映画で見事主演を獲得。狂気のドイツ人医師にムカデにされてしまう若い日本人ヤクザを演じている。
そんな北村に今後どのような役者を目指していくのか聞いてみた。「これからもワールドワイドに活躍する役者になりたいです。それと、僕は日本が大好きなので、日本の映画やドラマにも、もちろん出演したいです。日本の事務所にも、『HEROES/ヒーローズ』がきっかけで声をかけてもらえればいいですね。アメリカでは、渡辺謙さんや真田広之さんという大先輩たちが『日本の文化、日本人像をしっかりと伝える』という思いで、活躍されています。だから、まじめな役が多いですよね。僕はそれでは面白くないので、そんな日本をちゃんと伝えるとかは関係なく、異色な役、クレイジーな役、危険でセクシーな役に挑戦していきたいです。ある意味、先輩たちが作っている格好いい、礼儀正しい日本人像みたいなものをぶっ壊していきたいですね。僕みたいな役者が一人いても、いいと思います」と頼もしい答えが返ってきた。海外で活躍する、そんな日本代表の活躍をわたしたち日本人は、応援し見守っていきたい。