個性派俳優の吹越満、見えない敵との戦いに自作自演で自画自賛!
草なぎ剛主演の感動時代劇映画『BALLAD 名もなき恋のうた』で、主人公・又兵衛(草なぎ)の家来にあたる仁右衛門を演じた個性派俳優、吹越満が時代劇ならではの苦労を語った。
物語の舞台は戦国時代。もともと仁右衛門というキャラクターは、もう少し年長者という設定だったが、当初から過酷なロケが想定されていたので、設定年齢よりも若い吹越がキャスティングされた。よろいに甲冑(かっちゅう)という重装備に加えて、自分の身長を優に超えるやりを持ちながら、長時間戦いを繰り広げるシーンは、確かに体力的にハードだ。ただし、吹越が一番大変だったのは、意外にもカツラだったそう。「カツラって特殊なのりを使うんですけど、こう見えてお肌がデリケートなんで(笑)、すぐに荒れちゃうんですよね」と苦労を振り返る。
当時の戦(いくさ)を忠実に再現したいという山崎貴監督のこだわりで、キャスト陣はやりの使い方を学び、撮影に臨んだ。やぐらの上から、敵の兵士をやりで突き落とす吹越の勇姿も見どころだが、本人は「あのシーン、実際には突き落とす相手がいなかったんですよ」とまたまた意外な告白。撮影では吹越一人が、やりで突き、持ち上げて、突き落とすという一連の動きを、いわば自作自演しているのだ。もちろん完成した本編を観ても、不自然さはまったく感じられず、「おれ、ちゃんと敵を突き落としている(笑)。おれ、すごいな!」と本人も自画自賛。苦労の絶えない極寒の撮影現場でも、ベテラン俳優らしくキャラクターを深く掘り下げ、時には目に見えない敵兵と戦いながら、戦国時代を熱く生きた男を演じ切った吹越だった。
『BALLAD 名もなき恋のうた』は、シリーズ10作目となる映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦』を原案に実写化した壮大な時代劇ラブストーリー。主人公・又兵衛と吹越演じる仁右衛門の厚い信頼関係が、作品をよりドラマチックなものにしている。
映画『BALLAD 名もなき恋のうた』は9月5日より全国公開