低迷の連休ウイークエンドは『ファイナル・デッドサーキット 3D』が再び第1位!-9月9日版
全米ボックスオフィス考
過去10年間のレイバー・デイ(労働者の日)連休において、映画を観に行った人々が一番少なかったという統計が発表された9月4日から7日の4日間のウイークエンドだったが、それでも1,530万ドル(約15億3,000万円)をたたき出して2週連続チャート第1位となったのは、映画『ファイナル・デッドサーキット 3D』だった。(1ドル100円計算)
依然として興行収入の記録を伸ばし続けているこのショック・ホラー作品は、封切後11日間で5,040万ドル(約50億4,000万円)のトータル興行成績を上げており、すでに過去のシリーズを超えるヒットとなっている。
今週の第2位は、こちらも先週に続いて同順位をキープした、映画『イングロリアス・バスターズ』で1,495万ドル(約14億9,500万円)の売り上げ。先週と比べてたったの22.6パーセントという落下率で、すでに映画を観たファンからの好意的な口コミが功を奏しているようだ。関係者たちは、これからのロングランを期待している。
第3位はサンドラ・ブロック、ブラッドリー・クーパー共演の映画『オール・アバウト・スティーヴ』(原題)。サンドラといえば、ついこの間、映画『あなたは私の婿になる』で大ヒットを飛ばしたところ。『オール・アバウト・スティーヴ』は、『あなたは私の婿になる』に比べるといささか地味な感があり、加えて、「柳の下にドジョウは2匹いない……」などとシニカルな予想をしていた映画評論家も少なくなかったところから、苦戦が予想されていたものの、1,410万ドル(約14億1,000万円)という成績を上げて、堂々のトップ3デビューを飾った。サンドラの人気再燃もさることながら、この夏の映画『ザ・ハングオーヴァー』(原題)の大ヒットで注目を集めているブラッドリーの出演も大きく貢献しているといえよう。
続いて第4位は、男くささムンムンのアクション映画『ゲイマー』(原題)。、初登場で、新アクション・ヒーローとして台頭してきているジェラルド・バトラーが主演なのにもかかわらず、意外にもサンドラのラブコメに負けてしまい、2,502映画館、2,700スクリーンという大型公開だったのに、1,120万ドル(約11億2,000万円)の売り上げという残念な結果に終わった。
トップ5の最後を飾るのは先週からワンランクダウンだが、落下率はたったの11.3パーセントで、驚くべきスタミナを見せている映画『ディストリクト9』(原題)。この夏、驚きの大ヒットになった『ザ・ハングオーヴァー』(原題)に続く、殊勲賞に値する作品である。
次回のランキング予想だが、先週末の封切作品も地味だと思ったら今週末の方がもっと地味だった! 9月は毎年大体こんなところだが、今週末に封切られる作品でトップ5に食い込む可能性のある作品は甘く見積もって3作品。まずは、ケイト・ベッキンセイル主演のサスペンス・アクション映画『ホワイトアウト』。予告を見る限りでは結構面白そうだが、ケイトがどこまでお客を呼び込めるかが問題。
2本目は、定番のホラー作品で映画『ソロリティー・ロウ』(原題)。仲間同士の悪ふざけが高じて友人を殺してしまい、その死体を遺棄したことから仲間の間で起き始める恐怖の数々……。映画『ラストサマー』にかなり類似してるが、ホラー好きのアメリカ映画ファンのことなので、とりあえずトップ5のランキング予想に入れておく。
3本目は、黒人コメディアンのタイラー・ペリーの「マデアおばさんシリーズ」で、映画『タイラー・ペリーズ・アイ・キャン・ドゥ・バッド・オール・バイ・マイセルフ』(原題)。タイラーが女装のマデアおばさんにふんして活躍するこのシリーズは、これまで公開されればトップ5入りを果たしてきたので、今回もいい線までいくかもしれない。
果たして今週の上位作品陣が、これらのデビュー作品からトップ5の地位を守ることができるか、はたまた予想外の大きな番狂わせがあるか……!? こうご期待!(取材・文:神津明美 / Addie Akemi Kohzu)