『崖の上のポニョ』をスペインで1万2,600人の子どもたちに無料上映!子どもたちは大興奮!
スペインで開催中の第57回サンセバスチャン国際映画祭で連日朝10時からバスク地方の小学生を対象に、宮崎駿監督『崖の上のポニョ』を無料招待上映している。26日までの会期中に、1万2,600人の子どもたちが鑑賞する予定だ。
『崖の上のポニョ』が上映されているのは、「ビッグ・フィルムズ・フォー・ザ・キッズ」と題した特別上映部門だ。同部門は、未来の映画祭ファンを育てるために、1987年からスタートしたプログラム。過去には、同じく宮崎監督の『千と千尋の神隠し』やロバート・ロドリゲス監督『スパイ・キッズ』などを上映している。
同部門コーディネーターのニアベス・アミエバは、今年の選定について「『千と千尋の神隠し』を上映したときに、子どもたちに非常に評判が良かったんです。その、同じ監督の新作ということで選びました。またこの映画には、環境問題についても描かれていて、テーマ的にも素晴らしいと思いました」と語る。
現地時間23日も、サンセバスチャンなどバスク地方5都市の小学生2,100人が、各学校ごとにバス約50台に分乗して、特設上映会場ベオドロモに集合。スペインの主要都市ではすでに劇場公開されているが、全編バスク語での上映は初めて。「ポニョ、そうすけ、大好き!」の有名なセリフも、「ポニョ、そうすけ、マイテ!」に吹き替えられていた。
劇場に入ると、子どもたちはすでに興奮状態。映画が始まるや、海中を泳いでいたポニョが空き瓶にスポンッとハマってしまうシーンで大笑い。ポニョに手足がはえて人間になるシーンでは、拍手が起こっていた。
そして上映が終わるや、歓声と共に一斉に拍手が沸き起こったのだが、こちらの習慣ですぐに場内が明るくなり、♪ポーニョ、ポーニョ、ポニョの主題歌音楽が消されてしまったのは残念だった。
それでも、宮崎監督の「『崖の上のポニョ』は子どもたちのために作った」の言葉通り、スペインの子どもたちにも愛されているようだ。(取材・文:中山治美)