中国では不評!南京虐殺描く『南京!南京!』の陸監督受賞コメント
スペインで開催された第57回サンセバスチャン国際映画祭で最高賞のゴールデン・シェル賞を受賞した映画『南京!南京!』の陸川監督が現地時間26日、受賞の喜びを語った。
陸監督はこの日、サンセバスチャン近郊のビルバオで恋人と観光を楽しんでいたそうで、受賞の知らせを聞いて慌てて戻って来たという。陸監督は「受賞を聞いて、もちろん興奮しています。協力してくれた日本のスタッフに感謝したい。特に日本人キャストは勇気を持ってこの映画に参加してくれ、とてもプロフェッショナルな仕事をしてくれました。この映画が日本で上映される際には再会して、受賞を喜び合いたい」と笑顔を見せた。
同作品は1937年に起こった南京虐殺事件を、中国兵と日本兵の両方の視点から描いた人間ドラマ。中国で公開された際には興行的な成功は収めたが、「日本寄りだ」と多くの批判を受け、8月に発表された中国の最高峰と言われる華表奨にも、1部門もノミネートされなかったことが話題となった。日本公開が実現すれば再び、さまざまな議論を呼ぶことは必至だ。
陸監督はすでに覚悟は出来ているようで、「恐らく、日本人もこの映画を好きではない人がいるでしょうね。日中両方から描いた作品なのに、両サイドから批判を受けることになるなんて、むしろ興味深いですよね」と、苦笑いを浮かべていた。
同作品は日本のほか、スペインでも配給会社が決定。今回の受賞が、世界公開を後押ししてくれそうだ。(取材・文:中山治美)