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制作費たったの7千円弱のゾンビ映画が意外に傑作!目指せ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』!?

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マーク・プライス監督。ホラー・メイクアップのワークショップにて
マーク・プライス監督。ホラー・メイクアップのワークショップにて - Photo:Yukari Yamaguchi

 カンヌ国際映画祭で、超低予算映画として注目を浴びるも、その完成度の高さから驚きを持って迎えられたマーク・プライス監督のゾンビ映画『コリン』(原題)が、本国イギリスのレインダンス映画祭に登場した。ホラー・メイクアップのワークショップや、低予算映画作りについてのディスカッションなど、スタッフたちによるイベントも開催された。

 プライス監督がカンヌ国際映画祭のために用意した衣装の方が、制作費よりも高くついたというように、本作の制作費はわずか45ポンド(約7千円弱)。ボランティア参加のスタッフに支えられ、撮影はホームムービー用のカメラで行われたという。制作費の並外れた低さを隠すよりも、逆にセールスポイントにしてしまおうという本作は、鑑賞しているうちに、次第に引き込まれていくのだから不思議だ。

 その理由には、恐さを競うようなゾンビ映画ではないことが挙げられる。ゾンビとなった家族、恋人、友人を、情け容赦なく殺せるのか? という視点で物語は進み、退治すべきモンスターとしてゾンビが登場するホラー映画とは一線を画している。ゾンビになってしまった主人公に感情移入しながら観ることができる作風がとても斬新だ。

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 低予算ながら、センセーションを巻き起こしたインディペンデント映画といえば、あの映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が思い出される。しかもその作品のイギリスでのプレミアは、何と本映画祭で行われた! 元オアシスのノエル・ギャラガーも当時鑑賞に訪れており、そのプレミアから約10年ということで、今年は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の記念上映も行われる。

 『コリン』は、土屋トカチ監督による映画『フツーの仕事がしたい』、高橋康進監督の映画『ロックアウト』などと並び、ベスト・マイクロ・バジェット(超低予算映画)賞にノミネートされている。日本勢にとっては強力なライバルになりそうなゾンビ映画だ。(取材・文:山口ゆかり/Yukari Yamaguchi)

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