1970年代の黒人映画にオマージュをささげた作品が、世界各国で大絶賛!
アフリカ系アメリカ人をターゲットにブームを起こした、ブラックスプロイテーション映画というジャンルにオマージュをささげた映画『Black Dynamite』(原題)について、主演のマイケル・ジャイ・ホワイトとスコット・サンダース監督が語った。
ブラックスプロイテーション映画とは、主演やスタッフにアフリカ系アメリカ人を起用した黒人映画。映画の舞台は主にゲットーで、麻薬の密売人、ポン引き、殺し屋などが登場し、ファンク・ミュージックが流れている娯楽映画である。メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ監督の映画『スウィート・スウィートバック』や、アカデミー賞歌曲賞を受賞した映画『黒いジャガー』などが有名だ。本作は、兄弟を殺されたブラック・ダイナマイト(マイケル)が、その犯人を追って、ゲットーで戦いを繰り広げるという典型的ブラックスプロイテーション映画になっている。
「ジェームス・ブラウンの“Super Bad”を聴いていたときにアイデアが浮かんで、本作のポスターに写っている衣装と同じ衣装を買って、スコット監督に見せたんだよ。それから500ドルの予算で予告編を作った。その予告編が話題を呼んで、長編を作ることになったのさ」とこれまでの経緯を語るマイケル。特に彼らが影響を受けた作品はゴードン・パークス・Jr監督の『Three the Hard Way』(原題)で、「映画制作に当たり、山のようにブラックスプロイテーション映画を観たけれど、一番影響を受けたやつさ」とスコット監督は興奮気味に語る。
またブラックスプロイテーション映画にオマージュをささげた本作は、当時のブームを知らない人たちにも、熱狂的に迎え入れられた。「アメリカよりも、フランス、ドイツ、ブラジルなどの観客の反応がよかったね。ずっとスタンディング・オベーションだったんだよ」とマイケルが語ると、「若者であればあるほど、観客の反応がいいんだ」と喜びをあらわにするスコット監督。すでにアメリカのカトゥーンネットワークではアニメ化も決定しており、二人は「僕らの映画が、日本で公開されたら素晴らしい!」とさらなる展開に期待を寄せいていた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)