東京国際映画祭審査委員長のイニャリトゥ監督、東京への熱い思いを語る!
第22回東京国際映画祭
19日、第22回東京国際映画祭審査委員記者会見が、六本木ヒルズのムービーカフェで開催された。審査委員長のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、女優の原田美枝子、イエジー・スコリモフスキ監督、撮影監督のキャロリーヌ・シャンプティエ、俳優のユ・ジテ、シネマテーク・ディレクターの松本正道の計6名が登壇した。
今年の審査委員には、監督、俳優、撮影監督、シネマテーク・ディレクターと多彩な顔ぶれが集まった。審査委員長に選ばれたイニャリトゥ監督は「わたしたちの仕事というのはある意味で、とても難しい仕事です。映画には実験的な映画、若い監督の映画、経験豊富な映画作家の映画など、いろんなジャンルがありますからね。皆さんに代わって五感をしっかりと働かせ、心に響くパワフルな感情で、これこそ素晴らしい作品だと言えるものを頑張って選んでいきたいと思います」と決意表明をした。さらに日本女優を代表して審査委員に入った原田は「俳優としては、(自分が出演した作品が)国際映画祭に出品されることが長い間のあこがれでした。でも、今回は裏側から映画祭を見ることになります。今年は松田優作の20回忌ということで、特別上映があるんですが、心の兄であり、師であり、そしてとても大事な俳優である優作さんの上映があるときに、盛り上げる側にいられることはうれしい限りです」と本映画祭に参加した喜びを語った。
デビュー作の映画『アモーレス・ペロス』が第13回東京国際映画祭グランプリを受賞し、映画『バベル』では東京で撮影を敢行するなど日本に縁の深いイニャリトゥ監督。会見中には、「東京の魅力をしゃべりだしたら、いつまでも話してしまう」と東京への愛を告白した。「非常に神秘的だが、その中にアバンギャルドな相反するものを非常にたくさん持っている文化。そういう意味では日本の文化を少しは理解できたと思いつつも、次の瞬間には実はまったく理解していなかったことが発覚する。それが東京に魅了される理由なんだと思う」とイニャリトゥ監督の東京論は、会見終了の予定時間を大幅にオーバーするほど熱かった。
コンペティション部門に出品された15本の作品の中から、東京サクラグランプリ受賞作品が選ばれる。グランプリ作品は25日のクロージングセレモニーで発表される。
第22回東京国際映画祭は六本木ヒルズをメイン会場に25日まで開催