究極の負け犬中年を追った『ナオキ』が特別賞と市民賞2冠!山形国際ドキュメンタリー映画祭各賞発表!
山形国際ドキュメンタリー映画祭2009の受賞結果が14日発表され、インターナショナル・コンペティション部門の大賞に当たるロバート・フランシス&フラハティ賞には、カナダのリシャール・ブルイエット監督『包囲:デモクラシーとネオリベラリズムの罠』が受賞。
ブルイエット監督には記念のトロフィーと賞金200万円が贈られた。また、英国人のショーン・マカリスター監督が山形を舞台に、アルバイト生活をしながら27才年下の彼女と窓なしアパートで暮らすワーキングプア中年を追った『ナオキ』(NHKと英国BBCの共同製作)は、特別賞(賞金30万円)と市民賞の2冠を獲得した。こんな事態になるとは思わず、ヒゲも剃らずに授賞式に出席したマカリスター監督は「企画がなかなか上手くいかず、何度も”死にたい”と思ったけど、山形で撮った映画がここで賞を頂いたことに意義を感じる。出演してくれたナオキとヨシエは僕のヒーロー&ヒロインだ。そして、ファッ○ンBBCにも感謝!」とあいさつし、会場から笑いと大きな拍手を浴びていた。受賞結果は以下の通り。
【インターナショナル・コンペティション】
●ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
『包囲:デモクラシーとネオリベラリズムの罠』(カナダ)
リシャール・ブルイエット監督
●山形市長賞(最優秀賞)
『忘却』(オランダ・ドイツ)
エディ・ホニグマン監督
●優秀賞
『Z32』(イスラエル・フランス)
アヴィ・モグラビ監督
『要塞』(スイス)
フェルナン・メルガル監督
●特別賞
『ナオキ』(英国・日本)
ショーン・マカリスター監督
【アジア千波万波】
●小川紳介賞
『アメリカ通り』(韓国)
キム・ドンリョン監督
●奨励賞
『ビラル』(インド)
ソーラヴ・サーランギ監督
『されど、レバノン』(レバノン)
エリアーン・ラヘブ監督
●特別賞
『ハルビン螺旋階段』(日本)
李丹監督
『細毛家の宇宙』(中国)
毛晨雨監督
●市民賞
『ナオキ』(英国・日本)
ショーン・マカリスター監督
『ユリ 愛するについて』(ドイツ)
東美恵子
●コミュニティシネマ賞
『ビラル』(インド)
ソーラヴ・サーランギ監督
●日本映画監督協会賞
『馬先生の診療所』(中国)
叢峰監督
(取材・文:中山治美)