ジョージ・クルーニーとのワイン4本空けたジェイソン・ライトマン監督-ロンドン映画祭
『UP IN THE AIR』(原題)のイギリス・プレミアが第53回ロンドン映画祭で開催され、ジェイソン・ライトマン監督、出演のアナ・ケンドリック、ヴェラ・ファーミガが会見を行った。
主演のジョージ・クルーニーは同映画祭の2本の参加作『ザ・ファンタスティック・ミスター・フォックス』(原題)と『ア・メン・フー・ステア・アット・ゴーツ』(原題)で、14、15日と連続の会見、レッドカーペット登場をこなしたが、今回の会見に姿はなし。前日17日にはライトマン監督とともにローマ映画祭に出席していたところをみると、ロンドンからローマに向かったクルーニー、逆にローマからロンドン入りした監督というスケジュールのよう。
クルーニーを主演にすえた理由について、脚本も担当したライトマン監督はチャーミングな役者でなくてはいけなかったと説明。退職勧告専門の会社の敏腕社員という役柄で、あちこちの会社に主張しては「お前は誰だ?」とリストラ要員に恨みの目で見つめられる主人公のため、観客の共感を得るには役者の魅力が大事だったと言う。クルーニーに受けてもらえるか半信半疑だったそうで、その時の状況を「クルーニーと飲むことになるなんて思ってもみなかった」と話す。夫人と出かけたホリデー先にクルーニーもいて、夫婦で訪ねたところ、クルーニーに出された4本のワインを3人で空けることとなり「急性アルコール中毒にでもなるんじゃないかと思ったよ」と笑う。
『縞模様のパジャマの少年』のファーミガは、本作ではクルーニーの相手役。リストラ体験を聞かれて、顧客とおしゃべりしすぎてクビになったOL時代の話を披露。『初恋~トワイライト~』のケンドリックは、クルーニーの元で研修するエリート新入社員役。若いだけにリストラ体験はないと言うが「笑い事じゃないわ」と失業問題の深刻さについてコメント。本作も胸に痛いシーンを盛り込みつつ、そこは『JUNO/ジュノ』のライトマン監督、笑いどころも満載だ。クルーニーのツボを押さえたセリフの可笑しさに上映中にもかかわらず拍手が巻き起こったシーンもあり、ライトマン、クルーニーのコンビは大成功だったようだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)