グリム童話をアレンジ!『白雪姫』の裏に隠されたウォルト・ディズニーの思いとは?
ディズニー長編クラシックスの記念すべき第1作であり、ディズニーの夢の原点とされている世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』には、アニメーションを「大人が感動できるファンタジー」に押し上げようとしたウォルト・ディズニー独特の、熱き思いがあった。
本作の原作は、「シンデレラ」「赤ずきん」など世界的に有名な作品を世に送り出してきたグリム童話。かのグリム兄弟が書き記した童話の数々には、恐ろしい出来事や残酷な描写が含まれていることも多い。『白雪姫』も例外ではなく、グリム兄弟の原作には、白雪姫と王子の結婚式に招かれた女王が、その宴席で白雪姫から、真っ赤に焼けた靴を履かされ、疲れ果てて息絶えるまでダンスを強要されるというシーンが登場する。このように当時の童話に、残酷な場面が登場する理由の一つとして、童話を通して、子どもに教育的な脅しや戒めを与えるという役割があったからだ。
一方、ディズニー版『白雪姫』にはもちろん、そんな残酷なシーンは登場しない。それはウォルト・ディズニーが世界初のカラー長編アニメーション『白雪姫』を、子どもだけに向けた童話的お説教ではなく、大人がしっとりと感動できるファンタジーに仕上げたいと考えた結果である。ディズニー版『白雪姫』に登場する恐怖シーンが原作に比べて穏やかなのは、大人を意識したからにほかならない。また、愛くるしい白雪姫に残酷な仕打ちをさせたくない、というディズニーのキャラクターに対する愛情もうかがえる。
より多くの人にアニメーションを楽しんでほしいと願ったウォルト・ディズニーの熱き思いが完成させた『白雪姫』。公開から70年以上たった今、「不朽の名作を次世代に残す」というテーマの下、「ダイヤモンド・コレクション」というブルーレイに限定したディズニーの新ブランドが登場する。本日より発売される本作を見て、色あせるどころかますますその輝きに磨きがかかった映像をぜひ堪能してほしい。
『白雪姫 ダイヤモンド・コレクション/ブルーレイ(本編DVD付)』(税込み4,935円)、『白雪姫 スペシャル・エディションDVD』(税込み2,940円)、『白雪姫 プレミアム・エディションDVD』(税込み3,990円)は、ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメントより発売中