サスペンス映画のヒットの訳はエロスにあり! 魅惑のエロチック・サスペンスを振り返る
映画『ホースメン』『サブウェイ123 激突』など、今年も次々とサスペンス映画が公開されているが、なかなか興行成績に結びつかないのが現状だ。そこで、過去の衝撃の問題作から近年の作品までの振り返り、サスペンス映画のヒットする理由を探ってみた。
サスペンス映画の中でも特に人気の高いジャンルに、先の読めない展開にハラハラするも、観た後にふともの思いにふけってしまう社会派サスペンスと、魅惑的なシーンにドキドキし、刺激が強いエロチック・サスペンスの2つがある。社会派サスペンスは、これまで映画『英雄の条件』『ミッドナイト・エクスプレス』など数々のヒット作を生んできたが、その難しい題材から、最近はヒット作に恵まれていない。対して、エロチック・サスペンスは最近でも映画『ブラック・ダリア』や、ユアン・マクレガーとヒュー・ジャックマンが共演した映画『彼が二度愛したS』などが次々と公開されており、サスペンス映画がヒットするのは、そのエロスあふれる魅惑的なシーンが理由の一つといえる。
リチャード・ギア演じる精神科医が、謎の美人姉妹と出会い、予想もつかない完全犯罪に巻き込まれていく姿を描いたサスペンス映画『愛という名の疑惑』は、公開されるや否や大ヒットを記録したエロチック・サスペンスの代表作の一つ。ハリウッドを代表する2大セクシー女優、キム・ベイシンガーとユマ・サーマンが競演したことも話題になった本作は、リチャード・ギアとキム・ベイシンガーの濃密に絡み合う刺激的な性描写に加え、思わぬ方向にいく展開がより一層緊迫感をそそった。
またサスペンス映画は、その衝撃的な内容から話題性も高い。怪しい魅力を持つ少女との愛欲的な生活におぼれながら、猟奇殺人事件へと巻き込まれていく精神科医の姿を描いた映画『薔薇の素顔』は、アメリカで公開延期にまでなった問題作といわれている。ブルース・ウィリスとジェーン・マーチの濃厚なラブシーンは物議を醸し、当時は話題が尽きなかった。またマイケル・ダクラスとシャロン・ストーンという豪華スターが共演した映画『氷の微笑』は、冒頭からいきなり過激なセックスシーンがあり、公開当初は話題騒然となった。性を堂々と表現するキャサリンというキャラクターをシャロン・ストーンが好演し、本作がきっかけで彼女はハリウッドスターの仲間入りを果たしたといわれている。
来年も伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説を映画化した映画『ゴールデンスラバー』や、アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップの共演がささやかれている映画『ザ・ツーリスト』(原題)、リーアム・ニーソンとラッセル・クロウが共演する映画『ザ・ネクスト・スリー・デイズ』(原題)など数々の公開作を控えているサスペンス映画。今後どんなスリリングな内容の映画が生まれるか期待したい。
映画『薔薇の素顔[ディレクターズ・カット版]』は、11月11日(水)よる8:35よりWOWOWにて放送