笑いのツボの違い!? 日本でアメリカン・コメディーがヒットしない理由とは?
映画『スーパーバッド/童貞ウォーズ』など全米ではケタはずれのヒットをしても、日本でアメリカン・コメディーはなかなか受け入れられず、劇場未公開に終わってしまうのが現状だ。では、なぜアメリカン・コメディーは日本で受け入れられないのか、その原因を探ってみた。
俗に、映画に国境はないと言われるが、笑いにはそれが存在する。よく言われるのは言葉の問題で、アメリカン・ジョークを日本人が理解するのは、ちょっとした思考力が必要となるケースが多い。例を挙げると、ルーク・ウィルソンふんする主人公が500年後に目覚めた世界で奮闘する映画『26世紀青年』は「おバカ」の定義の差があり、日本では理解されにくい笑いがある。映画『ハンサム★スーツ』など漫画風の見た目に、わかりやすいお笑い芸人が人気を博する日本の傾向を思えば、仕方がないことかもしれない。
また、多少の下ネタも笑ってしまえるおおらかな国民性のアメリカに比べると、日本は保守的な傾向にある。映画『オースティン・パワーズ』シリーズは回を追うごとに下品になり、人気が急落したのも有名な話だ。また、アメリカの人気テレビ番組を映画化した問題作といわれる映画『ジャッカス・ザ・ムービー』は、性器や排出物がそのまま映写されたり、し尿処理場の処理槽(そう)にダイブしたり、ショットガンで撃たれるスタントシーンなど、非常に過激な内容まで含まれ、やはりこちらも日本では受け入れられにくい。
とはいえ、アメリカン・コメディーにも日本人のハートをくすぐる部分は確実に存在する。アメリカの人気コメディアンの、ジム・キャリーやベン・スティラーをはじめ、映画『俺たちフィギュアスケーター』『俺たちステップブラザーズ-義兄弟-』でおなじみのウィル・フェレルの幼児性を前面に出した妙演や、映画『40歳の童貞男』『ゲットスマート』などで人気を集めるスティーヴ・カレルの大ボケぶり、そして映画『エージェント・ゾーハン』でのアダム・サンドラーのおバカっぷりは、見た目だけで十分におかしく、日本人にもわかりやすい。何より、笑いのツボは十人十色。日の目を見る機会が少ないアメリカン・コメディーから、自分だけのお宝を探してみてはどうだろう。
映画『ゲットスマート』は11月20日よる10:00よりWOWOWにて放送