マイケル・ムーア監督が初来日!税関であわや強制送還寸前のひと悶着?
30日、アポ無し突撃取材でおなじみのマイケル・ムーア監督が、東京・中央区の東京証券取引所で開催された記者会見に出席し、新作映画『キャピタリズム マネーは踊る』について語った。これまで「行くまでの時間が長過ぎるから」という理由で来日を敬遠していたムーア監督が、ついに日本の地を踏んだ。東京証券取引所で映画の記者会見が開催されるのも史上初となる。
登場するなり「フッフッフッ」と不敵な笑い声を上げたムーア監督。念願の来日を果たしたが、航空会社(本人いわくJで始まり、Lで終わる会社)の手違いで、荷物が行方不明になるトラブルに見舞われた。大急ぎで相撲レスラー御用達の大きな体型専用の洋服店に駆け込み、服を買い込んだそうで、「こんなカジュアルな格好でゴメン。まぁ、普段と変わらないけど」と照れながら謝罪。一方、入国の際に税関で指紋押なつを求められ、その理由を尋ねると、すぐさま別室に連れて行かれ、係員から「指紋押なつに応じなければ強制退去だ」と説明されたと暴露。「拒否したわけじゃない。理由を求めただけなんだけどね」とムーア監督らしい、一筋縄ではいかないエピソードを明かした。
そんなムーア監督は雇用の崩壊や医療費の高騰、教育水準の低下といったアメリカ国内の抱える問題が、日本でも起こりうると懸念しているそうで、「わたしはアメリカを愛している。でも日本の皆さんには、アメリカのようになりたいなんて思わないでほしいんです。Be Japan! って伝えたいね」と熱いコメント。「日本をはじめ、世界各国がブッシュ前大統領の戦争政策をサポートし、正当化してしまったのは残念。わたし自身は、昔から日本のことを平和の旗手として尊敬している」と日本人にエールを送った。会見中はムーア節全開で、記者からの質問はわずか2問でタイムアップとなったが、「2問だけ? しゃべり過ぎて、ゴメン。時間があればもっと質問を受け付けるのに」と残念そうな表情も浮かべた。
会見後には、株トレーダーとしても知られるタレントの小倉優子が登場。早速、ムーア監督は「株の調子は?」と質問したり、「君は実のお母さんから10億円もらったことある?」と鳩山首相の献金問題でジョークを飛ばしたりと舌好調。ムーア監督の作品同様、終始、ウイットに富んだ笑いと熱い感動に満ちた会見となった。
『キャピタリズム マネーは踊る』は、昨今の100年に一度と言われる世界同時不況をテーマに、巨大企業による利益追求の果てに起こった世界への影響を検証するドキュメンタリー。まじめに働く99パーセントの労働者たちの生活と、搾取する側である1パーセントのCEOの姿を暴き、資本主義(キャピタリズム)支配下の経済問題に肉迫する。
映画『キャピタリズム マネーは踊る』は12月5日よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ梅田にて限定公開。2010年1月9日より全国拡大ロードショー