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『ノーカントリー』原作者の「ザ・ロード」が映画化!監督がヴィゴ・モーテンセンを絶賛!

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ジョン・ヒルコート監督
ジョン・ヒルコート監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『ノーカントリー』の原作者による同名小説を映画化したヴィゴ・モーテンセン主演の映画『The Road』(原題)について、ジョン・ヒルコート監督に話を聞いた。本作は、原因不明の天災に見舞われた地球を舞台に、盗賊たちや人食い集団から身を守り、ひたすら食料を求めて生き延びようとする父と子の関係を描いた作品。

 主役を演じたヴィゴについて「驚かされたのは、彼の100パーセント以上の力を出し切った演技さ。撮影前にはホームレスの人たちと行動を共にしてリサーチをしていたのにもかかわらず、撮影が始まるとそれまで行ったリサーチを頭からすべて払いのけて、信ぴょう性のある生の感情だけを伝える演技に打ち込むんだから」と語る。さらに撮影中、ヴィゴは汚れたままの服で寝たり、土砂降りの中を歩いたり、実際に食事をせず、どんどんやせていったという。ジョン監督は「限界がピークに達したとしても、それを意図的に演技に利用して、自分を極限状態に持っていくんだ。まさしくヴィゴは俳優の鏡だよ」と絶賛する。

 劇中では、地球が危機に陥った詳細は描かれていないが、コーマック・マッカーシーの原作は、本作にどれだけ生かされているのだろうか? 「劇中のほとんどの会話は、原作に書かれていたものさ。原作には父親の心境が書かれているから、その部分はナレーションやフラッシュバックなどの映画的手法で補った」と明かす。さらに「原作も本作も、父親と息子の関係に迫っているけれど、地球の惨状に至る説明がないから、観客は一つ一つの状況に圧倒される。そこには人間がもたらす恐怖が映し出されているからね」とのこと。コーマックの世界観にほれ込んだジョン監督は、コーマックがこの原作を執筆する前から、映画化権を得ていたという。極限状況下での親子の姿を通し、倫理や理想、そして誇りを捨てずに生きようとする人間を描いた力作となっている。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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