アベフトシさんの急逝で永遠に叶わぬミッシェル・ガン・エレファントの再結成に思いをはせる
14日、シネセゾン渋谷で映画『ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-』のスペシャルプレビューが開催され、バンド活動中から現在も元メンバーと親交が深いミュージシャンのちわきまゆみと、音楽雑誌「MUSICA」編集長の鹿野淳氏が、本作の主役であるバンド、ミッシェル・ガン・エレファントとの思い出を語り合った。
映画『ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-』
メジャーデビュー時にレコード会社の担当者から、ボーカルのチバユウスケを紹介されたのが縁で付き合いが始まったというちわきは、「そのときはすごく好青年で、さわやかな湘南ボーイって感じ。声もかわいかったし、あんなにやさぐれてはいなかった。どうしてああなっちゃったの?」とワイルドな印象の強いチバの知られざる原点を暴露。一方、鹿野氏はロッキング・オン在籍時に、初めて彼らにインタビューした思い出を振り返り、「今何がしたいかって彼らに聞いたら、目の前のから揚げを指さして『早くインタビューを終わらせて、これを食いたい』って。おれはから揚げ以下かよって頭にきちゃって(笑)」と手痛い洗礼を受けたことを打ち明けた。
映画のメインは何といっても2003年10月11日に幕張メッセで開催された解散ライブ。当日のメンバーの様子について、「長かったツアーの終わりをかみしめているようで、楽屋はとても静かだった。でもライブ後の打ち上げはすごく楽しそうで。本当に解散したバンドなの? って感じ」と鹿野氏。解散ライブを楽しんだというちわきは、今回映画を通してステージ上のメンバーの表情を目撃し、「あの日、こういう顔してたんだって胸を打たれた」とコメント。ファン待望の再結成は、今年7月にギタリストのアベフトシさんが急逝したことで永遠にかなわない夢となってしまったが、ちあきは「近所のヤンチャなお兄ちゃんたち。心強い存在だったし、残念ながらあれほどカッコいいバンドはミッシェル以降登場していない」、鹿野氏も「(解散し)ミッシェルを完全に止めた感じ。そして辞めた後もしっかりミッシェルを守っている潔さがすごい。今聴いても全然風化していない」と今もなおワン・アンド・オンリーな輝きを放つミッシェル・ガン・エレファントに最大限の敬意を払っていた。
『ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-』は、2003年に解散したロックバンド「ミッシェル・ガン・エレファント」の解散ライブのステージと舞台裏を中心に、貴重な未公開映像で彼らの軌跡を追う音楽ドキュメンタリー。
映画『ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-』は12月19日よりシネセゾン渋谷ほか全国公開