『アバター』ジェームズ・キャメロン監督、4日に逝去した二重被爆者の山口さんの遺志を受け原爆をテーマにした映画を構想
広島、長崎で2回被爆し、二重被爆者として初めて公式認定された山口彊(つとむ)さんが1月4日に93歳で死去したが、山口氏が長年送り続けてきた平和へのメッセージをジェームズ・キャメロン監督が受け継いだようだ。
エンターテインメント総合サイトMonsters and Criticsが伝えたところによると、キャメロン監督が原爆被爆者に関する映画を構想中とのこと。大ヒット公開中の映画『アバター』のプロモーションで昨年12月に来日したキャメロン監督は、長崎市内の病室を訪れ、生前の山口氏との対面を果たした。キャメロン監督が、子どものころに起きたキューバ危機をきっかけにして人類の滅亡や世界の終わりに興味を持ち始めたのは、映画『ターミネーター』製作の原点としてファンにはよく知られているが、その考えは今も変わっていないようで、原爆の恐怖や二重被爆者である山口氏の悲惨な体験を後世に伝えたいと映画の構想を山口氏へ伝えたそうだ。
映画はまだ構想の段階で、いつ撮影が開始されるかなど決まっていないが、キャメロン監督と共に山口氏を訪問した作家チャールズ・ペレグリーノのノンフィクション小説「ザ・ラスト・トレイン・フロム・ヒロシマ:ザ・サバイバーズ・ルック・バック」(原題)をもとに映画化する見込みだ。同小説は、今月19日にアメリカで刊行される予定で、長年に渡る原爆の被爆者とアメリカ軍のパイロットたちへの取材により構成されている。
キャメロン監督は、現在は海洋スリラー『サンクタム』(原題)という映画をプロデュースしており、スリラー映画『ザ・ダイヴ』(原題)、『禁断の惑星』のリメイク、木城ゆきと原作の「銃夢(GUNNM/バトル・エンジェル・アリタ)」実写映画化と監督予定の企画も山積みである。そのほか、リメイク版『ミクロの決死圏』のプロデュース、大人向け雑誌「ヘヴィ・メタル」のアニメ化にも関わっており、もちろん続編『アバター2』(原題)も考えていることを監督自らが認めている。