ベルリン映画祭、金熊賞を競うコンペティション部門に若松孝二監督『キャタピラー』が選出!
第60回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に、若松孝二監督『キャタピラー CATERPILLAR』が選出された。ロマン・ポランスキー監督、ロバート・エプスタイン監督らの話題作と同映画祭最高賞である金熊賞を競う。過去の金熊賞では、1962年に今井正監督が『武士道残酷物語』、2002年に宮崎駿監督が『千と千尋の神隠し』でと、日本勢は2度栄誉に輝いたことがある。
『キャタピラー CATERPILLAR』は、四肢を失い、顔は焼けただれた姿となって戦場から戻る久蔵(大西信満)と、その妻シゲ子(寺島しのぶ)の物語。『実録・連合赤軍あさま山荘への道程(みち)』で同映画祭最優秀アジア映画賞と国際芸術映画評論連盟賞をW受賞している若松孝二監督が、戦争というテーマに挑んだものだ。受賞への期待がかかるところだが、ほかの選出作も強豪揃い。ポーランドの巨匠ロマン・ポランスキー監督、ユアン・マクレガー主演の『ザ・ゴースト・ライター』(原題)、アカデミー賞を2度受賞しているロバート・エプスタイン監督がメガホンをとり、ジェームズ・フランコがアレン・ギンズバーグを演じることで話題を呼んでいる『ハウル』(原題)など、そうそうたる作品が居並ぶ。マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の『シャッター アイランド』などのコンペティション外上映作品も含め、現在まで25作品が選出されたコンペティション部門、2月1日に全選出作が発表される予定。2月20日に各賞発表/受賞セレモニーが開催され、その後、山田洋次監督、吉永小百合、笑福亭鶴瓶主演の『おとうと』がクロージングを飾る。
『おとうと』はベルリンより一足早い1月30日に日本公開、ベルリンがワールド・プレミアとなる『キャタピラー CATERPILLAR』は今夏日本公開予定。((取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)