『アバター』が全米で7週連続第1位!2位以下とケタ違いの成績でばく進中 -2月2日版
全米ボックスオフィス考
封切り後から7週間たっても3,128万ドル(約28億1,520万円)をたたき出して衰えを見せない映画『アバター』が、今週もほかの新作をものともせず堂々の全米週末ボックスオフィスのナンバーワンに輝いた。(1ドル90円計算)
先日発表されたアカデミー賞にノミネートされた『アバター』だが、これをきっかけにしてまだまだフィーバーが続きそうである。ロサンゼルスのIMAX上映館では、ノミネーション発表2日前の夜でも依然として夜の回がソールドアウトという人気度。さらに、ボックスオフィスの売り上げも先週と比べて下降度がたったの10.5パーセント減と、まだまだスタミナ十分といった感じである。
これは7週目における過去のどの映画と比べてもずば抜けており、これまで歴代7週目における王座を守っていた映画『タイタニック』が保持していた記録(2,590万ドル(約23億3,100万円))を優に超える売上げとなっている。
第1位の『アバター』に大差をつけられた今週の第2位は、メル・ギブソン久々の新作映画『エッジ・オブ・ダークネス』(原題)で1,721万ドル(約15億4,890万円)の成績。ランキング的には第2位とはいえ、上映館数3,066、スクリーン数3,600という規模で公開された作品の成績にしては、かなり気の抜けた結果となってしまった。暗い内容のサスペンスで、カテゴリーとしてのハンデを考慮しても、メルの人気にダメージを及ぼすようなニュースが多かったことで、今回の結果につながったのかもしれない。
第3位は、映画『ホエン・イン・ローマ』(原題)で1,235万ドル(約11億1,150万円)の売り上げ。日本ではあまりなじみのないクリステン・ベルとジョシュ・デュアメル主演のラブコメディーだ。評論家たちの間では、「1月の頭に全米公開されたエイミー・アダムス主演の『リープ・イヤー』(原題)と似通ったストーリーで、タイクツ極まりない」などとたたかれているが、一般市民の間では、この手の映画は無害でかわいく見えるらしい。デートにはうってつけ……というわけで配給の統計によると、観に来ていた観客の61パーセントはカップルだったとのことだ。
変わって第4位は、ランキングは先週と同じの映画『ザ・トゥース・フェアリー』(原題)で999万8,000ドル(約8億9,980万円)。ファミリー映画にありがちな2週目の粘り強さを見せて、下降度は比較的少ない28.6パーセントにとどまった。
第5位は、先週の第3位から2ランクダウンの映画『ザ・ウォーカー』で891万ドル(約8億190万円)の売り上げ。この手のダークアクション映画にありがちな降下パターンで、先週と比べて43.4パーセントのダウンだった。
今週末封切りの話題作と次回のチャート予想だが、注目されるのはハッキリ言って新作ではなく、むしろ公開中の『アバター』快進撃である。果たして以下の新作に『アバター』を王座から引きずり下ろすだけのパワーがあるかが問題だ。
1作目は、主演のジェフ・ブリッジスがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた映画『クレイジー・ハート』(原題)。渋どころのロバート・デュヴァルが脇を固め。マギー・ギレンホールが花を添える心を揺さぶるドラマである。アカデミー候補になったということで客足が集まる可能性はあるものの、今週の勢いから見て『アバター』を抜く勢いがあるかどうかは疑問である。
週末封切り作品2本目は、アメリカと欧州で人気放映中テレビドラマ『ザ・チューダーズ』(原題)で英国王朝時代のヘンリー8世を演じて人気のジョナサン・リス・マイヤーズ主演の映画『フロム・パリス・ウィズ・ラブ』(原題)。ジョン・トラヴォルタが同僚のCIAの諜報部員を演じるアクションものだが、『アバター』のような映画を観てしまった後、1,500円近い鑑賞券を買ってシアターに足を運ぶ映画ファンがどれだけいるのか……。
新作3本目は映画『ディア・ジョン』(原題)。涙涙の恋愛もので、2004年度のライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムス主演の映画『きみに読む物語』で泣いた人にはお薦めの映画だ。
果たしてこれらの新作が、どこまで『アバター』に追随できるか!?(文・取材: 神津明美/Addie Akemi Kohzu)