テリー・ギリアム監督、超大作『アバター』に一言申す!
映画史上最も大金を稼ぎ出し、3月7日に行われるアカデミー賞でも9部門にノミネートされているジェームズ・キャメロン監督の『アバター』だが、この3D超大作について、『Dr.パルナサスの鏡』など個性派作品を世に生み出しているテリー・ギリアム監督から不満の声が上がった。
ロンドンで行われたイブニング・スタンダード紙主催の映画賞に出席したギリアム監督は、『アバター』の知名度があまりにも圧倒的すぎて他の良質作品の機会を奪っている、とコメント。「小さくても美しい作品はたくさんあるし、才能のあふれる監督や俳優たちも大勢いるのに、スタジオはこういった巨大プロジェクトにばかり金をつぎ込む。魔法のような出来栄えの低予算映画だってあるが、『アバター』のような映画が出てくると切られちゃうんだ。若い才能たちは予算もなしにどうやって注目を浴びたらいい?彼らだって素晴らしいのに、悲しいことだよ。広告費だけで40万ドル(約3500万円)も使っている映画にどうやって打ち勝てというのさ?」と不満を漏らした。
すでにゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞の2部門を受賞している『アバター』だが、この映画に批判的なのはギリアム監督だけではない。イギリスの著名な映画評論家バリー・ノーマン氏も「『アバター』は、今年の映画賞を総なめにするだろうが、それに値するとはいえない。ジェームズ・キャメロンの映画は金を稼ぐように出来ており、実際に大金を稼いでいるが、だからといってそれが最高の映画であるとはいえないのだ」とこの話題作に厳しい批評を寄せている。