藤田まことさん、大動脈瘤破裂のため死去 昨年のおおさかシネマフェスティバル表彰式では「生きててよかった」
俳優の藤田まことさんが17日、大阪府内の病院で死去した。76歳だった。
テレビ時代劇「必殺仕事人」シリーズや「はぐれ刑事純情派」など息の長いヒット番組に出演し、渋い演技を見せた藤田さん。1960年代には喜劇俳優として人気を博し、出演したテレビ番組「てなもんや三度笠」は一世を風靡(ふうび)した。
その後当たり役となった「必殺仕置人」の中村主水を得て、シリアス俳優として活躍。穂積隆信によるノンフィクションベストセラー小説を基にした映画『積木くずし』や、B級戦犯として裁かれた東海軍司令官の岡田資中将を演じた映画『明日への遺言』、黒澤明監督の名作をリメイクした映画『椿三十郎』など、テレビだけにとどまらず話題の映画にも出演。
最後の主演映画『明日への遺言』では、おおさかシネマフェスティバルで主演男優賞を受賞。昨年3月に大阪歴史博物館で行われた表彰式では「生きててよかった。長い間、俳優をやっているが、映画で賞をいただくのは初めてです」と受賞の喜びを語り、続けて「さすが大阪の皆さん。ぼちぼち(賞を)やっとかんと、(この世から)おらんようになるで、とお情けでいただいた」と冗談交じりのコメントで会場を沸かせるなど、元気な姿を見せていた。